『ザ・ギフト』 プレゼントは良質なミスリード

 里帰りした夫婦は、夫の同級生ゴードと再会。

 

 しばらくして、夫のゴードから、ワインが届けられた。

 住所は教えていないのに。


 鯉を飼いたいといったら、魚の餌が玄関に。

 庭の池に鯉がいた。勝手入れられたのだ。

 



 ゴードの誘いで夕食に招待された主人公夫婦。

 そこで、夫はゴードに「もう関わらないで欲しい」と告げた。


 翌日、庭の鯉が死んでいた。飼い犬も行方不明に。

 文句を言いに夫は車でゴードの元へ。

 だが、家には別人が住んでいた。

 ゴードは家主の車の運転手をしていていたのだ。

 彼らが旅行中のところを、勝手に自分の家として使用したのだ。


 


 この手の話は大体、

「ストーカーに振り回される善良なカップル」

 という図式になる。


 ところが、ストーリーが中盤に差し掛かると、この話は全く違うタイプのストリーリーであると分かる。


 夫は一見成功者に見える。

 だが、その本質は高圧的だった。


 身ごもって嬉しいはずなのに、妻は夫の性格に疑問を抱くようになる。

 それが、彼女たちにとっての「ギフト」だったのである。




 オーソドックスな話が、実はフェイクだったという構成は、本当に見事だ。

 ゴード役の演技もあり、彼が決してキモいだけの男性でないと分かってくる。

 後半になるにつれ、あなた方は段々、彼を応援したくなるだろう。

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