『四〇歳の童貞男 』 ソロ充映画

 ソロ充童貞のヲタと子持ちキャリアウーマンの純愛物。

 

 ただ、主人公はいわゆるソロ充として描かれている。

「もう十分成功してへんか?」

 と、人によっては思うだろう。 

 女が欲しい理由も、「なんとなく不安」というのが、実にリアルだ。


 ブレイク・スナイダーの本に載ってなかったら、まず見なかった作品。

 著者でさえ「タイトルで損してる」と言われているし。


 かたや家にフィギュアやゲーム用チェアまで置いてある筋金入りのヲタ。


 かたや孫までいるキャリアウーマン。彼女も相当歳を重ねている。

 一人目の子どもが結婚で失敗しているため、 次女の貞操観念にやたら厳しい。


 しかし、母であるヒロインは、主人公をベッドに連れ込み、裸で抱き合っている。

 そのせいで、

「私の時は禁止しているくせに、親のあんたは男と寝るのか! 私だってしたいのに!」

 と口論に。


 結果、ヒロインと次女の関係がこじれてしまう。


 それだけ聞くと水と油のような関係なんだが、とくに無理なく恋愛まで進む。


 現実問題としてはありえないんだけど、「フィクション内リアリティ」はあるかと思う。

 ちょっとしたすれ違いから対立した主人公とヒロインが、仲直りするラスト。

 主人公が語る最後のセリフが、なんともいじらしい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る