『超高速! 参勤交代』 チャンバラの出来もいいコメディ

 財産ちょろまかし疑惑の潔白を証明するために、たった五日で参勤交代する貧乏藩士の話。

 主人公の藩主は、佐々木蔵之介が演じる。


 享保20年。

 参勤交代から帰ってきた湯長谷藩主は、帰ってきて早々、再び参勤交代を再度言い渡される。

 八日かけて通る道のりを、五日で来いと。


 もちろん、家臣は大反対。貧乏藩主にそんな予算はねえんじゃと、配下が幕府に直訴しようとする場面も。


 しかし、命令違反は、お家お取りつぶし。


 藩主は仕方なく、命令に従う。


 遠い道のりを、獣道を使って移動する。

「移動の際に重いから」という理由で、武器も竹製の剣を持たされる。


 途中、関所をごまかすために少数を大人数に見せる仕掛けを施す。

 また、藩の金山を狙う幕府の隠密に狙われたり、危険も多い。


 そこへ、伊原剛志が扮する一人の忍者が、道案内を買って出た。

 彼のエピソードもまた秀逸である。

 一見クズなのだが、改心するシーンがちゃんと用意されている。このシーンが最高なんだ。


 終始コメディタッチなのかなと思ったら、普通に人が死んだりするシビアな展開に。

 ラストも幕府の忍者を相手にチャンバラのオンパレード。


 ちなみに、主人公の湯長谷藩主「内藤政醇」も、敵である江戸老中「松平信祝」も実在の人物。

 松平なんて相当ダーティな黒幕として描かれているが、実際は苦労人だったらしい。

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