　祖母を亡くした祖父の為、渋々祖父を旅行へ連れて行く弁護士。

　だが、彼の目的はナンパだった。

「ばあさんが遺言で、好きに生きろって言うたもん！」

　だから、彼は女とヤリに行く旅へ、孫を巻き込む。

　祖父は女子大生を追いかけ、目的地をビーチへ変更。

　そこは麻薬が普っ通ーに売店で売られていた。

　最初は堅物で通していた主人公も、コカインを間違えて食わされて警察へ収容される。

　その警察すら、売人に買収されているという始末。

　ただの大学教授と思っていたら、大麻は吸うわ、元工作員なのでケンカは強いわ。

　しかもケンカした黒人とも仲良くなる。

　とはいえ、祖父の方も、しょうもない生き方をする孫を心配していた。

　むちゃくちゃな祖父と行動を共にするごとに、自分の本心に直面する。

　カメラマンをやりたいのに、弁護士稼業に逃げている。

　父と同じように、女の尻に敷かれる人生を歩むのか。

　それとも、自由に生きるのか。

　扱っているテーマは、人生の岐路であり、人生の選択である。

　割とお堅いテーマだ。

　全部祖父の奇行で台無しだが。

　セクシャルマイノリティや人種問題などの複雑な問題をも、ゆるーいタッチでさりげなく盛り込んでいる。

　そのバランスが見事だ。コメディ色を壊さない程度に添えられている。

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