『ハンニバル・ライジング』 美食?のルーツ

 ハンニバル・レクターの若かりし頃の話。


 レクターはリトアニア出身の元貴族で、妹がいた。

 しかし、両親は戦争に巻き込まれ他界。

 入り込んだ対独協力者たちに家を荒らされ、妹は食料にされてしまう。


 成長した彼は、孤児院を逃亡。亡き叔父の妻で日本人の、ムラサキに拾われる。

 彼女から武術を人としてのあり方を教わっていた。

 だが、彼の正義はねじ曲がり、ムラサキを侮辱する肉屋の店員を斬首する。


 レクター教授と言えば、「アンソニー・ホプキンス」だろう。

 ホプキンスは、『羊たちの沈黙』で、

「国勢調査官の肝臓を空豆と一緒にスープにしたぜ、ズゾゾ……」

 というアドリブ台詞を言った。

 

 主演のジョディ・フォスターは、ホプキンスと演技以外の会話もできなくなるほどショックを受けたという。

 

 1988年日本公開の初期作『レッド・ドラゴン/レクター博士の沈黙』だと、別の役者が演じていたらしいが。


 本作では、若いレクターを「ギャスパー・ウリエル」が演じている。

 彼の微笑みが怖いんだ。目が笑ってないから。

 まさに吸血鬼を実写化したらこうなるんだろうな、と思わせる。

 若いのに、レクターという難しい役を見事に演じきっている。


 本作のレクターは、目的遂行のためなら手段は選ばない。

 見方によれば、アクション映画の主人公っぽいとも言える。

 ダークヒーローとは言わないが、悪党とも言い切れない。


 余談だが、『ハンニバル』はTV上映版で満足してはいけない。

 大事なシーンが抜けているからね。

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