『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』 Twitter万能説

 自身の創作料理に自信を持つ主人公は、「海外の食べログのブロガーみたいな料理評論家」から「シンプルすぎる」と酷評される。

 こっちはオーナーのダスティン・ホフマンの指示に従っただけなのに。


 Twitterで愚痴を書いたら大炎上。

 再来店したブロガーに、食べログへの文句、及び「フォンダンショコラがいかに繊細な料理か」の講釈を述べた。

 その姿はYouTubeで拡散される。今度こそ、彼は仕事をクビになった。


 元妻の提案で息子と過ごすことになったが、気持ちは晴れず、仕事は相変わらずゼロ。

 移動先のマイアミで食べたサンドイッチの味に感激し、移動販売を思いつく。

 

 本作はいわゆる「おっさん復活」の話だ。

 どん底まで落ちたおっさんが、奮起してどんな逆行も乗り越える。その過程で、本当に大切なモノはなにかを学ぶ。


 ボロッボロのキャンピングカーを磨き上げるシーンが最高だ。

 こういう「何かができあがっていく」シーンは、なんかワクワクして好き。

 料理人の手つきなど、この映画は、そういった「何かができあがっていく」シーンが満載だ。

 エンディングのメイキングシーンも、なんか笑える。

 

 主人公が再起したのは、息子の力が大きい。

 Twitterを駆使し、どの場所で営業しているかを拡散し、情報戦で集客していく。

 営業の専門家でも、ここまでできない。


 Twitterのお手本のような映画だ。


 なお、主人公のいけ好かないシェフは、なんとジョン・ファヴロー監督本人が自ら演じている。


 彼は「製作時期が被る」と、『アイアンマン3』の監督を降りてまで、本作に入れ込んだ。

「アイアンマンの監督が本当に作りたかった映画はこれだ!」

 という宣伝文句があったのを覚えている。

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