『サバイバルファミリー』 バッテリー補充液は飲める!

 日本中が停電。電気ガス水道などのライフラインが全て停止。

 スーパーに行くにも、配送業者がこない。

 主人公家族は、妻の親が住む鹿児島へ逃避行する。


『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』の矢口史靖監督のコメディ。

 2003年のアメリカ大停電からヒントを得たという。


 ひとまず、「ライフラインが稼働している」とされる大阪を目指す。


 無人となったスーパーで、娘は猫缶を漁る。

 息子は言い出す。

「バッテリー補充液は不純物が入っていない精製水なので、飲める!」 

 とはいえ、まずい水でノドを潤す。

 

 ひたすら西を目指し、自転車で無人の高速へ。

 東名高速が人で溢れかえっている。みな、考えていることは同じなのだ。


 だが、楽しんでいる夫婦もいた。時任三郎と藤原紀香の夫婦は、アウトドア知識を活かして干物やドライフルーツを作って、この災害を満喫。

 

 一方、川の水を滅菌せずに飲んだ主人公は、腹を下す。


 緊迫したシーンでさえ、コントっぽくて切り口が面白い。

 かと思えば、ただブタをさばくシーンが大げさに描かれる。

 三谷幸喜とはまた違ったタイプのコメディだ。


 冒頭での、魚をさばけない深津絵里。

 発煙筒。

 小日向文世のズラ。

 これら、すべてが地味に伏線となって回収される展開も見物。

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