『鋼鉄の男 ''Pumping Iron''』 最強の男は意外とコスい

 ボディビルダー時代のシュワちゃんの映像。

 世界最強を目指し、各国のビルダーが鎬を削る。

 

 冒頭、シュワちゃんがレッスンを受けたのは、なんとバレエダンスの教室だ。彼はこのレッスンにて、腕の伸ばし方、身体のしならせ方、姿勢バランスを保つ手段を学ぶ。

 ボディビルとは大きくかけ離れた練習方法だ。

 このシーンだけで、もうこの映画に魅了されてしまった。

 

「筋肉作りは、彫刻より難しいんだ」

 と、シュワちゃんは語る。

 鏡を常に意識し、筋肉が足りない部分を徹底的に鍛え抜く。


 周りも負けてはいない。

 打倒シュワちゃんに燃える若手、俳優として活躍するスター、身長が惹くいというアドバンテージを跳ね返すベテランなど。


 だが、シュワちゃんは割と小ずるい。

「助言を求めてきたビルダーがいた。だが、『叫べ』って助言した。当日に実行したら、彼はつまみ出されていたよ」

「何かアドバイスが欲しいか? と相手に言うだけで、メンタルがやられるんだよ」

 と、相手の心理に作用する方法を心得ている。

(実行したかは分からないが)


 かと思えば、

「父が死んだ。でも母には『葬式には出られない』と告げた。二ヶ月後に大会を控えていたからだ。トレーニングに没頭するとき、僕は心をドライに保つんだ」

 と、ストイックな一面も見せる。

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