『リバイアサン』 ラストのパンチの為だけにある映画

 実をいうと、オレはこの映画をよく覚えていない。


 バカでかい怪物が出てくるパニックホラーなのは覚えている。

 だが、細かいあらすじなどは、「この記事を書くため、さっきネットで調べた程度」である。

 なるほど、リバイアサンというタイトルは、ソ連の潜水艦の名前なのね。


 なぜ、この映画を取り上げたかというと、

「リアルタイムで見た人がいるかどうかを確認する」

 ためだ。


 この映画は、オレが中学1、2年の時に、地上波で公開された。

 その後、学校で「ラストが面白すぎる」と話題になったのだ。


 問題のシーンはラスト三〇分だ。


 人間を食って巨大化する怪物を前に、主人公はなすすべもない。


 主人公の上司は、事件をもみ消そうと乗組員全員死亡のニュースを流した。


 上司に見放された主人公は、海上を舞台に自らの血液で怪物をおびき寄せる。

「オラ、『あーんっ』て言ってみな!」

 主人公はマイトを怪物の口に投げつけ、爆死させる。


 だが、事件が解決し、助かった主人公とヒロインの二人に向けて、女上司は

「私は二人が無事だと信じていた」

 などと、ぬかしたのである。見捨てておいてだ。


「気分はどう?」

 と聞かれた瞬間、主人公は女上司の顔をパンチ。

 相手を失神させる。


 手を払って、彼はこう呟くのだ。

「ああ、最高だよ。スカッとした」


 このシーンだけ、強烈に覚えている。

 中学でも盛り上がって、笑い転げていた。

 本編はまったく覚えていないけど……。

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