『リーサル・ウェポン』 今ドキのラノベ主人公コンビ

 初老刑事が若手と組まされて、自身の旧友を陥れた麻薬組織を壊滅させるために悪戦苦闘する話。


 だとすれば、ただのアクション映画だ。

 しかし、現代になって、この映画にはもう一つの顔があると発覚した。

「なろう」や「カクヨム」に足を突っ込んでいなければ、この仕掛けにはまず気づかない。



 ダニー・クローバー演じる主人公の部長刑事は、正義感が強く、知恵も働くし、家族思いだ。しかし、寄る年波には勝てず引退が近い。

 時代が時代なら、『おっさん系主人公』と呼ばれるタイプだ。

 

 彼の元に、新パートナーとしてメル・ギブソンがあてがわれる。


 若手刑事メル・ギブソンは、ベトナム戦争を経験している元特殊部隊という設定。

 銃の腕は正確。格闘もこなす。「3」では自ら脱臼して縄抜けマジックまで披露した。

 妻を事故で亡くし、自殺願望がある。自殺志願者を助けると見せかけて、心中未遂にまで陥る。

 時代が時代なら『オレ強え系主人公』と言われていただろう。


 そう、つまりこの映画は、

『異なるラノベ主人公同士が、反発しながら凸凹コンビを組む』

 コメディタッチのアクション映画なのだ。


 こんな「なろう系小説でさえ、誰もやってない発想」が、もう1987年には確立していたのである。

 しかも4作も作られた人気映画だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る