『127時間』 デッドプールにネタバレされた悲劇の作品

 携帯も持たず、誰にもどこへ行くと告げず、自転車の旅へ向かった主人公。

 彼は、アメリカ・ユタ州にあるブルー・ジョン・キャニオンの狭い峡谷の割れ目に転落してしまった。

 腕は、壁と落ちてきた岩の間に挟まれている。 

 誰にも行き先を告げていないので、救助は来ない。

 彼はビデオカメラで、状況を録画し始めた。


 127時間、つまり約五日ほど遭難している計算だ。

 ビデオの内容も、狂気じみたモノへ。


 水も底をつき、彼はついに、ある決意をする。


 といった、相当に辛い内容である。

 ラスト前、彼の決心して脱出を試みるシーンは、映像の演出もあって非常に痛々しい。

 あの「ビリ!」「ジジ!」という、主人公の痛みを表現する演出はトラウマモノだ。

 治療シーンなどが苦手な方は、視聴しない方がいいかも。


 だが、この作品の悲劇は、そこではない。

 

 実は本作、まったく縁もゆかりもない作品で、盛大にネタバレされているのだ。



 そう、『デッドプール』である。



 彼はピンチになった際に、

「『127時間』って映画、見たことある? ネタバレするよ」

 と、彼は本作の主人公と同じ行為を取って、窮地を脱するのだ。


 余談だが、『127時間』の主人公を演じる声優は、『加瀬康之』氏。

 偶然にも、デッドプール役と同じ人物である。

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