『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』 女ができたら、この映画論やめます

 素行の悪い天才少年が、妻を失ったセラピストによって癒やされていく話。


 大学の廊下に描かれた数式を、とある掃除夫が解き、物語が始まる。

 だが、問題を解いた少年は、ケンカが絶えない。

 数学者は彼を更生させようとするが、セラピストが何人もリタイアするほどの問題児。


 数学教授は、知り合いの心理学講師の助けを借りる。


 知った風な口を利く少年に向かって、彼は言う。

 天才かも知れないが、ただの臆病なガキだと。


「キミは戦争を語るとき、おそらくシェイクスピアを引用するだろう。だが、自分の腕の中で死んでいく仲間を看取る気持ちなど、考えようともしない」


「もし、私が『オリバーツイストを読んでいるから、キミの歪んだ気持ちは分かるよ』、などと言ったらどんな気分だ?」


「君が自分自身の言葉で話さなければ、何も分からないんだ」


 頑なに心を閉ざしていた主人公も、セラピストと会話する中で打ち解けていく。


 徹夜してゲットした野球観戦チケットを、恋人と一緒に飲みたいからと人に譲った話。

 あえて主人公を突き放す、親友の言葉。

 これらの一つ一つが、伏線としてラストで活かされる。


 「 亡妻の放屁で犬が飛び起きた」という話は、 ロビン・ウィリアムズによる完全なアドリブだ。台本になかったシーンとして、多くの雑学動画で取り上げられている。

 マット・デイモンだけでなく、カメラマンですら笑いをこらえきれなかった。

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