『地獄でなぜ悪い』 ワナビでなぜ悪い
長谷川博己が演じる主人公は、映画監督に憧れる、所謂映画ワナビ。
他三人の仲間と
「いつか世界を驚かせる映画を撮らせてくれ。その為なら死んでもいい」
と神様に祈って一〇年が経過。彼は特に努力もしないで「いつか監督になれる」と自堕落な生活を10年間も送ってきた。
しかし、そのせいで、アクションスターを目指す親友に愛想を尽かされる。ちなみに彼は、坂口拓が演じている。『VERSUS』の主役を務め、『仮面ライダーカブト』では、時間停止能力を持つ最強の怪人、「カッシスワーム」を担当していた。
カッシスワームと決別した直後、主人公に映画撮影の依頼が来る。
「ヤクザの殴り込みを映画で撮るから、撮影してくれ」
依頼人の組長曰く、人を刺し殺した妻がもうすぐ出所してくるんだが、「娘が映画女優としてデビューしている」と嘘をついており、その辻褄合わせにどうしても映画を撮らないと行けないという。
知り合いの映画監督にも断られ、ツテがなくなったところに主人公を見つけた。
普通の人間なら逃げ出すところ、ワナビは快く承諾する。
とにかくバカ映画。
「ワナビに金と権力を持たせたらロクな事にならない」という好例。
オレが『星野 源』を初めて知ったのが、この映画である。
ロクな事が起きないことが前もって想定されているタイプの映画なので、綺麗に終わる話ではないと覚悟すべき。
努力しないワナビにとっては苦しい映画だと思う。
また、腕や足、首まで吹っ飛ぶので、グロが苦手な人は注意。
映像自体はコントだが。
「オレはこういった主人公になりたくないから、活動してるンやな」
と思わされた作品。
でも、「夢の中でしか生きてない」タイプの主人公達が、実に活き活きしてて楽しそうなんだよなぁ。
そこは羨ましい。
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