『ロスト・イン・トランスレーション』 意外なキスシーンの現場 

 ビル・マーレイとスカヨハが、東京で不倫する話。


 Matthew's Best Hit TVがガチで出てくるなど、サービス精神に溢れている。海外でどのような評価を受けているのかは知らないが。


 だが、作品内のビル・マーレイは、日本に馴染めていない。

 スカヨハの方も、ダンナが忙しすぎてブルーになっている。

 このスカヨハがまた、なんとも綺麗なんよ……。


 この作品の特徴は、なんといっても映像美だ。

 本当に日本なのか、と思わせるほど幻想的。

 日本ってこんなにも美しかったのか、と再確認させられること必至。


 もっとも印象的な場面は、やはりラストのキスシーンだ。


「ネタバレするな」と言う人もいるだろう。

 しかし、この作品は映像を楽しむ映画だ。脚本なんてなくてもいい。

 そんな気持ちになるくらい、本作は映像技術に優れている。


 ラストで、二人は別れのキスをする。


 その場所はなんと、「パチンコ屋の前」なのだ!


 しかも、いかにも下町然とした、昔ながらの外観である。

 かつて、こんな場所でキスをする映画があっただろうか。

 また、下町のパチンコ屋をこんなにも幻想的に映し出した映画があっただろうか。

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