『鍵泥棒のメソッド』 そこ、キレるとこ!? 

 銭湯のロッカーキーをすり替え、香川照之の荷物を、堺雅人演じる売れない役者が奪い去る。

 豪華な部屋と大金を手に入れたものの、とある人物を殺害するように指示する電話が入る。

 香川照之は殺し屋だったのだ。


 一方、記憶を失った香川照之は、自分を売れない役者だと思い込み、演技の勉強に励む。

 やがて、彼の演技は上達し、スタッフの信頼を勝ち得ていく。

 が、とある出来事がきっかけで、殺し屋だった記憶を取り戻してしまった。


 ここで、自らのアジトへ帰宅し、堺雅人と対面するのだが、そこで一言。


「お前……この部屋でタバコ吸ったな!」


 いやいやいや! 


「金に手を出したな」とか、人の家に上がり込んで好き勝手しやがって」とか、そういうのなら分かる。


 だが、まず喫煙かい、と。

 どんだけ嫌煙家やねんと。

 

 職業上、煙草臭が付着するのはヤバイんだろう。

 彼はストイックな殺し屋だから。


 発言がスイッチとなり、一気に物語は上質なコントと化していく。

 この切り替えが実にうまい!

 香川照之の本性、それによる機転によって大ピンチを切り抜ける手腕。




 血まみれの冒頭シーンから始まるから、古典ミステリ的な雰囲気を題して置いて、実は……。


 邦画で、ここまで切れのいい作品って珍しい。


 ちなみに、コナン版は見てません。

 コナン君もタバコ嫌いそうやね。

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