『her/世界でひとつの彼女』 アニメ版スレイヤーズファンなら必見!

 リアル「嫁が液晶から出てこない」な話。 


 舞台は近未来。

 Siriが超進化したような人工知能と、メール代行業の主人公は人種の垣根を越えて愛し合う。


 疑似恋愛なのでは、という戸惑いよりも、愛情の方が勝っていく。


 ヒロインのAIをスカヨハが演じ、主人公は、あの『ジョーカー』のホアキン・フェニックスだ。


 主人公の男性を松本保典、恋人役の人工知能を林原閣下が演じる。

 そう、スレイヤーズコンビなのだ。

 この二人がね、疑似テレフォンセックスをするのよ。

 これは、変な意味ではなく聞き応えがあった。


 主人公は離婚調停中で、サインをすれば別れられる、というところでためらっていた。

 だが、人工知能とのコミュニケーションにハマった彼は、とうとう離婚届にサインする。

 CVが閣下では仕方ないね。


 ただ、人工知能からすれば、恋も単なる成長でしかなくて。


 という、お約束の切ない展開が待つ。

 ラストの人工知能閣下の告白を聞くと、「うわああ……」と絶句してしまった。


「イヴの時間」のような話が好きなら、楽しめるかと。

 あっちは肉体があって、機械絵があればふれあえるが、本作はふれあえない。

 このもどかしさに、人工知能が暴走していく展開も。


 ヲタなら吹き替えをお勧めする。

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