第63話 高橋の旅立ち


俺には師匠に許可をもらったFKの技がある成功率は7割位だと言える

しかし、FKが上手くてもクラブは選手を取ってはくれない。

FKを得るための技、ドリブルが必要だった


ドリブルを師匠はあんまり教えてくれなかったがヒントはあった。ブラインドタッチの話だ。あれを真に受けて足の指をボールで挟んだりペットボトルのキャップを掴んで投げたり、タオルを掴んでみたりと色々試してみた。最初の頃は足のふくらはぎが良く攣っていた。


やっとドリブルの足掛かりを得た。足の指の強化と神経によって生まれたスーパードリブル キックフェイント、クライフターン、ラボーナ、エラシコ、ルーレット、ダブルタッチ、スクリーンシュートこれ等を組み合わせてオリジナルを作るつもりだったが、複合技もあるのだと気が付いた。そして先生のなぞのふわっと浮かすドリブルは普通であればふわっと浮かすだけなら何にも、ならない様なきがする。きっと何か、後もう一つ工夫されているのだろう。


もうクラブを去らないといけないと思った時に監督の注文品らしいものが全員分届いた

エア入りのシンガードのプレゼントだった。



そんな時に思いがけない人物がクラブを訪れた

マルコ監督 レアルファンタジーの監督だ。


コーチ兼選手として年棒2億円、移籍金10億円のオファーだった

「鳴海監督がいなければ、存在しないオファーだこれは解るな」

「ええ、怪我明けの僕にこんなオファーがあり得ない」

「少し選手としての技量を見たい」

そう言ってマルコ監督は俺にボールを蹴らせた。いつものチャレンジだった

俺はFKを蹴ったが成功率は7割位だが全部枠にはいっていた。

「今度はDF付きで」との依頼だったでのDFを2人つけてドリブルからシュートを打った


「すまんかったな。年棒と移籍金は幹部に変更させる」

そう言い残してマルコ監督は去っていった。


そして、マスコミは『奇跡の復活』『あのレアルからオファー舞い込む』と暗い話を吹き飛ばすかの様に放送している

その報道のせいか他のクラブからも身分照会やオファーが沢山来た。コーチとしての物が多かったが、選択肢は多い方が嬉しかった。


そんなとき源が教えてくれた

「鳴海監督に一番近いサッカーをするのが、レアルファンタジーだぞ、奇襲は別だが……」

その一言が決め手になった。


*************


クラブのコーチ陣だが、以下の人たちが助けてくれることになった

・フィジカルコーチ (元代表選手)森久保 宏次

・アシスタントコーチ (元代表サブコーチ)藪本 克徳

・テクニカルコーチ (元日本代表)貞本 健之  


アシスタントコーチはオリンピック代表を率いることになる

今までは鳴海さんが見ていたのは中学生ぐらいまでだ。

高校生ぐらいはあまり見ていない状況だった。


僕は鳴海チルドレンに電話して、高校生でした事や高校意向でアドバイスをもらった事などを教えてくれと頼み込んだ

聞いた内容をまとめながら高校年代のユースの指導内容にいれていく。

「源さん、鳴海さんは基本メニューだけで戦術とかもある程度選手に任せてたよね」

「そうだな、任せる事が多かったなんでだろうな」

「選手に思考力を着かせたかったと思うんだけどどうだろう」

「なるほどな、鳴海さんの考えそうな事だ。コーチ陣と話をしてみよう」

そう答えると源さんは足早に消えて行った


俺はスペインに渡る荷物の準備を始めた

「高橋君もいっちゃうんだ」

「楓さんすみません。師匠には背中を押されてましたので、行かないと……」

「男はホント馬鹿よね。お金あるんだから、ゆっくりしてればいいのに」

そういって寂しそうに部屋を出て行った


鳴海チルドレンのメンバーも色々と移籍をした

山田一がドイツの強豪バイ○エルンへと移籍した

根本が意外にもスペインのバルへロナへ移籍をしていた

僕のライバルチームと言えるが、まず僕はスタメンを目指さないといけない

矢口球もレアルファンタジーへ移籍してきた。

一緒にプレーできるは正直言って助かると思った


旅支度を終えると僕は空港へ向かった

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