第32話 DMF 根本 洋一(19)
俺の名前は根本 洋一でスペイン1部リーグのDMF(ディフェンシブミッドフィルダー)をやっている男だ
DMFとはレジスタともボランチともセンターハーフと呼ばれることもある中盤の選手の事だ
基本的には先生の教え通りに守備は前の人のプレッシャーに合わせて、パスカットを狙っているし、CBの前に入られたら寄せるが、それ以外はしないようにしているのでSBが上がった後のフォローとか仕事が一杯だ
中盤の選手は色々呼ばれるがDMFにはタイプがあるがこんな感じだ
・猟犬と呼ばれるプレスを掛け鬼の様に追い回す役目の人
・バランサーと呼ばれる中盤のスペースを消す人
・そして俺の様にパスカットをしたり、スペースを消したりの万能型だ
もちろんやらなければいけない事は沢山あるので、基本的な事は出来ないといけない
そして今日ベンチメンバーから外れた、理由はスランプだ、ボールが取れなくなってきたし、パスを出しても取られたりする
先生に教えて貰った様に分析ノートを見たり、フォームをチェックしてみてもよく分からない状況だ
現在のチームの監督にきいても自分で考えろとか、もっと当たりに行けとか言われてよく分からなくなってしまった
俺は先生に相談する事にした
「先生お久しぶりです根本です、実は相談したい事がありましてお電話しました」
先生に俺はベンチメンバーから外れた事を話した
「大体わかった。試合の内容とフォームをチェックしてみる。ライン際10メートルの所で、コーナーフラッグにラインい沿って蹴ってみて終わったらビデオを送ってくれ」
「分かりました先生送りますので、よろしくお願いします」
俺は早速コーナーフラッグに向けてラインに沿って蹴ったビデオを送った
翌々日に先生からメールで連絡があった
日本と欧州では時差があるので、電話はしない様に配慮してくれたのだろう
メールの中身はこうだった
・眼下に行き視力を測ってくること
・もし視力が1.0以下になってたら中学の1.2に合わせること
・最近、頭に強い衝撃があった時は病院でMRIを取る事
・フォームに異常はないから視野の問題じゃないか
俺はメールの指示に従って眼下に行って視力を測った
結果は0.7まで落ちていたことが判った
俺は大至急でスポーツ用のコンタクトを作って貰う様にとお願いして、直ぐに注文してチームの監督に相談にいった
「監督すみません、実は俺スランプの原因について恩師に相談していて、結果として視野の問題じゃないかといわれました」
ふむふむと頷くように老将は聞いていたので、俺は続けて
「コンタクトが出来上がったら試して貰えないでしょうか」
「その先生とやらは他に何か言っていなかったか」
「はい、頭に強い衝撃を受けている時はMRIを取るようにと仰ってました」
「やはりな、儂も視力の原因がそれではないかと疑った、念のためにメディカルスタッフと一緒に病院に行きなさい」
俺はメディカルスタッフに連れられて病院でMRIを取った
待っている間にメディカルスタッフが簡単に説明してくれた。
単なる視力の低下ならいいけど、頭に衝撃とかが原因で視力が下がる場合もあると教えてくれた
MRIの結果を聞いたら異常はなかったので、俺はほっと一息いれると安心した
無事コンタクトが出来上がり練習試合の様子を見て次回のリーグ戦に出れるようになった
やはり視野が違うと全然ボールが見えるので遠くまで相手の様子が見える
相手の足元の動作もちゃんと見えているので、しっかりとボールをインターセプトできた
先生、貴方は偉大過ぎます
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