第3話 矢口 球(19)の場合



俺の名前は矢口 球19歳のブンデスリーガ1部のフランクフルトでサッカー選手をしている。

今現在はふくらはぎの故障でリハビリ中だ。先週の怪我した翌日に恩師である先生から電話が掛かってきた。

「たま、お前は俺の言う事まったく聞いてないだろ」

鳴海先生はたまに電話と編集したビデオと一緒に送ってくれる

「いまビデオ開きますのでお待ちください」

「おう」

「まずな0:23の場面これ、足を巻き過ぎなんだよ解る?蹴り足が強すぎてふくらはぎに影響が出てるんだよ」

動画で見るとはっきりとわかる。走るフォームの蹴り足が地面をけった後に後ろ側に高く上がり過ぎているのだ。これを専門家に近しい人は巻き上げるという。


「はい。すみません」

「俺ビデオ使ったフォームチェックの仕方教えたよな」

鳴海先生からフォームチェックの仕方は教わっているが暫くやって無かったらコレだ。

「しばらく忙しくて、サボってました」

「まぁいい暫く休んで終わったら基礎作りな。やり方は忘れてないよな」

「はい大丈夫です」

「迷惑だったらもう電話しないから、そっちのフィジカルトレーナーに頼むんだな」

「いえ、先生が俺に雇われて下さいよ。今の年収の10倍出しますから」

「馬鹿いうな、俺に教え子何人いると思ってんのよ」

「先生、基礎終わったら、ランニングフォーム見て貰えますか」

「ああ、見てやるから送れ、もう怪我するなよ」


そう言って電話は切れた。

基礎か・・・・

・毎日2時間の自転車(バイク)による心肺能力の向上

・一日5kmまでしか走ってはいけないピッチ走

・20mダッシュを毎日20回

・3日に一度は休養を入れる事


先生の指導で凄いと思うのは体重移動の仕方の理論だ。

俺は早く走ろうと思って、体重が前掛かりになる。その結果足を巻き上げ過ぎるのは中学からの俺の欠点だ。


先生の教えをもう一度思い出そう

・立ち方は肩幅にして足の『親指の付け根』『小指の下の外側』『踵』この3か所の左右6か所にバランスよく全身の体重を掛ける


・前方にゆっくりと体重を掛けると自然と足が出る位置がストライドの距離となる。20回平均を左右でとりストライドの距離を決める

・100mからストライドの幅を割ってピッチスピードを決める俺の場合は10秒ジャストから逆算してリズムを決める

・リズムをメトロノームに刻ませ、録音して聞きながら合わせて手が出る様に調整する

・走っている間は重心が中央に来るように遠くを見ながら走る


横走りも同じやり方で左右の移動を決めてしまう。

・思っているよりも横に走るのは難しい全力であるなら尚更だ

・左に20m走り右に20m走る横への体重移動はショルダータックルに表れる

・横への移動はDFにも表れる。ドリブルとは横に移動しているようで殆どが斜めに移動するDF側の真横になる。


ボールの蹴り方も同じだ

・普通に思っているよりも前にボールを置く。宇宙開発してしまうよりゴロの方が良いから前目でアジャストしろと教わった

・腰は振らずに足と体重で蹴る。腰を常に回転出来るわけじゃない。コンタクトがあるので、普通は腰が回転できない。

・動いてるボールを蹴る。常にボールは動いている止まったボールが蹴れる回数のほうが少ない

・ボールが真下と言うのは体重の真下であって軸足の真下じゃない。


基礎トレーニングをした後ビデオでフォームチェックする。何かがおかしい。

今までの物と比較するとピッチ幅が微妙に多きい。はっとした瞬間に身長を測る。まだ成長してたのか・・


疑問が解けた瞬間に中学時代に毎週していた身長体重測定を思い出した。

"毎日身長は違うからな1cmと侮っていると痛い目にあうぞ"


中学の頃を思い出し、まだ俺はやれると感じた。

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