8月23日 愛とか順応性とかな
びいがこんなことになっていた理由っていうのはさ、そういうびいじゃないと、うまくいかなかったせいだ。
びいがここまで頼りなくなったのも、子どもになったのも、周りの求めに応じてしまったせいだった。
俺はため息をついた。良かれと思い、間違った順応をしてしまったな、と。
とにかくさ、周りの意見など聞くな。
俺はそう言ったが、びいは既に日本に住むと決めた以上は、周りの意見など無視する、とこころに決めたようだった。
びいは俺がいるおかげで、多分立ち直りつつあり、俺に頼ってはいたが、お母さんにこの間、はっきり言っていた。
わたしは次に生まれ変わったら、絶対に自分の好きな人と結婚するわ。
びいのお母さんは何かびいにごちゃごちゃ言っていたが、びいははっきりともう一度言った。
お母さんが何と言おうが、次回、わたしは自分の好きな人と結婚します。
愛があってもお金がないと惨めだとか、お金がなかったら愛など消えてしまうとかびいのお母さんはしつこく、今までびいに繰り返してきたことを言っていたが、びいは断固として強い口調でそう何度も同じセリフを繰り返して言い切った。
びいとびいの旦那が別れる原因になったのも、お金なんだが、びいにとって、それはどういうことなのか、俺にはちょっと分からなかった。
びいは夫を愛しているというふうに見えたが……。それにお前、離婚したくないんだろ?
なんだか矛盾しているというか、よく分からないが、とにかくびいは、「来世は必ず好きな人と結婚する」と強く宣言した。
お前、好きでもないのにやっぱり結婚したということなんだな……。
微妙な気持ちになったが、妙な優しさというのは、やはりややこしい。
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