第311話 俺と似た他の奴らは?


 俺は、俺なりに壁を破ろうともがいていた。俺と似ている兄貴や従兄弟はまあ、それなりにやってて、兄貴も壁にぶつかっていたが、兄貴はまあいい。


 俺と兄貴って、似てるというか、一心同体に近いから、俺がどうにかなったら、俺が金を出してやれば、なんとかなる。


 従兄弟は飄々としていたが、うまくやっていた。なんだろうな、俺は恩があるから言いたくないが、兄貴は辛酸を舐めさせられたせいか、恨みが募っていたらしかった。


 まあ、兄貴が怒っても無理はない。得をすることであれば、何でもやりそうな冷酷さと、やり方がまた、いろいろ問題で、そのキャラクターは甘いマスクの自由人の割には、あまりにから。恨まれても仕方ない。


 そんなことを考えていたら、呼び鈴が鳴った。俺たち、隣の爺さんが鬱陶しいから、目立つところに呼び鈴をつけたわけ。でないと、裏口のように見える呼び鈴を鳴らす人はいない。


 すごいぜ、門の前にちゃんと呼び鈴つけたら、ひっきりなし。人目に止まるようになり、やっと家にドアついた感じがする。これまでうちは目立たなすぎて、この大きな屋敷は爺さんちのちゃんとした勝手口しか呼び鈴ないから、郵便物とか混ざって仕方がなかった。俺は最初から、Bに「ちゃんとした玄関や門がないと風水悪い」と伝えていた。


 入ってくるべき運気が全く入ってこないんだよ。Bは信じないが、俺は買う時にしっかり問題点も調べて知っていた。俺はねえ、ほとんど全ての占いってちゃんとした裏付けあると思ってるよ。だって、この惑星特有の決まりごととかあるじゃん。太陽がどこにあるかとか、空気の成分とか、自転とか地軸の傾きとか、全て。


 条件計算するの当たり前じゃん。なのに、占いといえば、Bはオカルトか何かだと思ってる。俺は細かいことを計算する方法とかすっかり忘れていたが、身について全て、感覚的に残ってるから、最初からすごく空間について気になっていた。ここを直さないとダメだ、とか。


 まあそんな話はいい。俺は昼の15時半だというのに、まだ口の周りにさっき食べた朝ごはんのチョコレートが口についてるんじゃね?と心配しながら家を出た。ゲートまで遠いんだよ。ほっといたら、誰もいないと思って帰っちゃうから。

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