第27話 検査の結果の紙


 俺はどうしても、大きい方の検査ができず、時計とにらめっこし、うーん、今日しかないのに、どうしよう、とトイレにいた。


 俺こんなじゃなかったよな。やっぱり何かがおかしい。


で、ギリギリで採取できて、慌ててラボに行く。コロコロだ。


むしろ、助かった。お食事中の人、すいません。(てか、俺が食事中だ。)


こんな四六時中、書いてたら、そりゃあ体も壊す。


 おかしい、長く下痢のはずが、コロコロ?まあいい。とにかく間に合う。


俺はさっさと歩いてラボに向かった。途中ですれ違う人が、君のハットいいね!と言う。


 俺は風で飛ばないよう、抑えながら橋を渡って、なんとかセーフ。15分前。




受付には誰もいない。俺は、せっかく採取できたのに、無駄になるのかと「おーい、誰かいませんかーーー!」と叫ぶ。


真っ白で太った女の人が出てきて、白衣着ていない。


大きく開いた肩口からタトゥが見え、鎖骨下に家族、とツバメと現地の言葉で入ってた。白衣の下、こんなでいいのか、と思いながら、その大きく開いた真っ白な肩口にバラの花のタトゥを見る。


あんなふうに肩口開いてたら、思わず開いたところ、触りたくなる俺。


 昼ごはんを食べてた人に、俺の採取物渡すの気がひける、と袋を差し出す。


自分でラベル貼ってね、とこの人は言わない。性格良さそうな人だな。


俺は、ちょっと待ってください、まだ温かいかもしれないんで、と言いそうになり、ぐっと言葉を飲み込む。


 保、お前、俺のこと変だ変だと連呼したな。

俺も医療機関の人たちくらいには、変だと思われたくないから。

 

 俺は苦笑する。人が言わないようなことを言うやつは、変なやつなんだよ。


俺は、あの、食事に戻る前には手を洗ってください、と言いたくて仕方なくなりながら、その容器、俺別にアルコール消毒して持ってきたわけじゃないし、と、本当に言いたくなった。


そのまま飯に戻り、サンドイッチとか、食べそうな人だ。手指、アルコール消毒しろよ。あぶねーな。


 これ、と俺は検査結果の引き換えのためのチケットを差し出した。

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