第26話 地震に検査。


 朝、Jさんからの電話で目覚めた。Jさんが、まずいぞ、日本で地震あったらしいな、負傷者200名、死者3名くらいの規模だけど、大丈夫か、と。


Jさんはいつもこんな感じで、俺はほんと守られてるって感じする。


 テロがあった時も、俺は現場すぐ近くにいて、帰ってきたらJさんから電話あり、お前、今まで現場の側にいただろ、と。


 俺はいつも間一髪、そういうことばかりに遭遇しているから、どうしても、人よりもなんでも敏感に備える癖がついている。


 保がお前、変。と言っていたが、保は俺のことなど全く知らないから、俺が変な理由を一から説明するわけにもいかず、しばらく説明して、それからお互い、難しいというような会話の流れになった。


保のツイッターを見たら、なんか疲れた、更新できなかったが更新したい、と書いてあって、俺との会話で疲れ切った可能性もあるし、そんなこと書いたら、お前、自意識過剰なんだよ、とまた言われるに決まってる。


 お前は痛くて自意識過剰なの。


 保がそう言う、と俺はネットの向こうで、俺らはやっぱり遠すぎて無理なんだ、友達にはなれないんだ、とショックを受けていた。俺がそんな風にショック受けるのはすごく珍しい。なぜなら俺、友達なんかいなくていいと思う方だったから。


まあいいや、ネットの出会いなんて、流れて消えてくような儚いものだ。


俺は、保のせいで、おじーちゃんに触られたり、くるくる巻き髪天パ男にナンパされたりと、変なサイクルにまた入ってきちゃったじゃないか、と、保、お前のせいだぞ、と聞こえないだろうが、思わず呟いた。


 あいつは俺みたいに敏感じゃないから、俺が遠く離れた場所でそんなこと思ってても、気づかずに普通の生活してんだよ。


普通の奴はいいよな。俺みたいに、誰かが俺のこと考えたら、あ、電話しなきゃ、とか思うやつと違って。


 ちょうど岬くんのことを考えたところ。電話かかってきてびっくりしたわ!


そういうのばっかり、俺の人生の中じゃ。


 とにかく、母さんたちは全然関係ない、無事で、従兄弟たちがちょっと不便のようだった。Jさんに感謝だ。


俺は、検査の結果の紙を慌てて取りに行くことにした。こんな時間じゃねーか。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る