Jersey Boys
私のオールタイムベスト1位の映画『Jersey Boys』
ビートルズ以前、最も人気のあったグループFour Seasonsの結成と解散、そしてその後を描いた【ミュージカル】の映画化である
Four Seasonsといえば数え切れないほどのアーティストがカバーしている『Can't Take My Eyes Off You』はあまりにも有名だ
https://www.youtube.com/watch?v=NGFToiLtXro
しかしこの映画、日本でもアメリカでも興行成績は振るわなかった....
「口コミでも入らなかったんじゃ面白くないんじゃないの?」そう思う人もいるでしょう
確かにこの映画が万人受けするとは思わない、というのも映画全体が常に灰色っぽく明るい話でもない
(※ところで、一流のクリエイターは観客を泣かせるということは非常に容易で
安っぽくなるため、私は泣かせにくる映画が大嫌いです)
さて、では何がこの映画の魅力なのか
それは泣けるからだ 待ってくれ そうじゃないんだ
この映画を見て流れ出る涙は決して、決して安い、通り一遍な涙などではない
この映画のラスト13分間、3度、3種類の涙を名匠クリント・イーストウッドの手によって眼窩から涙腺を引っ張り出し絞り出される
その内の2回目の涙
ここをアニメ的な例を挙げて解説していきたい
ロックの殿堂に選ばれ、シワだらけに 白髪になった4人が再会し歌いながら心の内を語っていくシーン
最期にフランキー・ヴァリが「俺はこれからも歌い続ける あの頃に帰る為に」
そういいマイクに背を向けると曲調が一気に変わり、バックライトが静かで冷たい青から、赤へと変わっていく
そしてもう一度マイクへ振り向くと、そこには「あの頃」に戻った若かりし頃の4人がマイクスタンドからマイクを取り身を乗り出し、互いが互いの目を見て歌い出す
そしてここでこの映画は一度終わる
なぜここがそんなに私に刺さるのか
若返った「あの頃」とは最強形態、最終フォームなのだ
特撮やアニメのラスボスと戦う時、挿入歌とともに見た目が代わりパワーアップする展開だ!
......ついてきてくれてるだろうか?
この映画に私が見るのものは、ハリウッドに欠けている日本アニメ特撮的なリズムに乗った熱血クライマックスなのだ
娘の死を乗り越え『Can't Take My Eyes Off You』を歌い上げ、一度クライマックスを迎える
そしてロックの殿堂で『あの頃』に戻った4人が歌う、2度のクライマックスを迎える
そして最後には、イーストウッドの愛の溢れるファンサービスが.......
この映画はラスト13分
立て続けに1話から最終話に出てきた
1.全ての伏線を回収し
2.全ての登場人物が登場
3.そして全てが高まり最強形態へ
※伝記映画です
100年以上ある映画史、いやさ有史以来こんな作品があっただろうか?
ない!!
このつるべ打ちのように出てくる燃える展開に俺は!!
劇場で声を出して泣き!目の前が涙で溢れ滲み!そしてスクリーンから燃え上がる俺にしか見えない炎を見て同じように燃え上がるのだ!!!!!
( イーストウッドの映画的な時間の操作によって無理矢理 事実をねじ曲げているところが大きく一カ所あるが、そんなものは100に対して1であり、そんなもので評価が変わるようなやわな映画ではない)
ほんとこの映画最高、これ以上は無い
というわけで『Jersey Boys』
すぐにBlu-ray買うなり、レンタルなりしてください!
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