夏の煌めき【19.救援到着2】

 クロシーと合流できた増援部隊は、児童遊園に雪崩込んだ。

「おい、お前ら大丈夫か!」

「窃盗は犯罪だぞ!」

「あ~ぁ? 何だぁ?」突然の援軍に不良4人衆は驚いたようだ。

「はっきり言って、これ以上、俺の友人可愛がってもらっても迷惑なんだよね。」

「何だとこの野郎!」

殴りかかってきた不良を軽くかわし、真王なおは思い切り脚を振り上げた。

強烈なトゥキックが相手のあごに決まり、蹴られた不良は流血しながら仰向けに倒れる。

「まだ歯向かおうってんなら、全員まとめて晒し首にしてやるから覚悟しろ!」

「くっ……くそ、覚えてろ‼」

 不良たちは真王に蹴倒されたやつを引きずるようにして逃げて行った。

「おい、華琉はる。大丈夫かよ?」

「遅せぇよ真王」地面に伏せたまま華琉人は言った。

「おかげで俺もチキンもボロ雑巾だよ」

「まぁまぁ。起きろ華琉。おい、チキン大丈夫か?」真王はチキンの様子を見始めた。

「うぅっ……」チキンが呻いた。

「ベルギー、バカ殿。蜜柑坊みかんぼうに肩貸して先に戻ってろ」

「はい」

 2人はチキンを支えるようにして児童遊園を出て行った。

「巾着は見つかったか、クロシー」

「はい」

「よし」真王は言った。

「撤収だ」

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