夏の煌めき【18.地の利が悪い......】

 華琉人はるとは息が上がっていた。これしきの不良4人くらい軽く伸して、チキンを連れて帰ろうと思ったが、ムリだった。鉄棒と申し訳程度のベンチ1台しかない寂れた児童遊園では、地の利が悪すぎる。

 それに、倒れたチキンはさっきからピクリとも動かねぇし。死んでないよな、あいつ。

「ブッ……」避け損なった相手のパンチが華琉人の頬に当たり口角が切れ、口の中に血の味が広がった。

 くそっ。このままじゃそう長くは持ちこたえられねぇな。真王なお、早く来てくれ……。

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