夏の煌めき【16.救援到着1】

 チキンは大ピンチだった。不良4人衆にサンドバッグのように殴られ蹴られボコボコにされていた。

「巾着! 浅葱地に朝顔柄の! 持ってますよね!?」

「巾着ぅ~? 知らねぇよ! それよりてめぇも金、持ってんだろ? 貸してくんね?」

「誰があなたたちなんかに貸すものか! それより巾着を……くはっ‼」突き飛ばされたチキンは無様に地面にひっくり返る。そこに容赦なく8本の脚が振り下ろされる。

 もうダメだ。僕は袋叩きにされて死ぬんだ。チキンがそう思った時、不良側の誰かが呻く声がした。

「俺の友達をそんなにご丁寧に扱ってもらっても困るんだよ‼」

 ピカリンだ。ピカリンが助けに来てくれたんだ。安心感に包まれると同時に、チキンの視界の闇がぐっと濃くなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る