夏の煌めき【15.華琉人とクロシーの合流】

その頃、クロシーは華琉人はるとに追い着いていた。

「ピカリン、女連れて何やってんすか?」

「うるせぇ! 静かにしろ。俺はチキンを追ってんだよ」

「チキンがこっちに?」

「あぁ。闇の中でもあのオレンジのシャツ、ばっちり目立ってた」

「で、肝心のチキンはどこへ?」

 その時、風に乗ってどこからか「た~すけて姐さ~ん‼」というチキンの悲鳴が聞こえた。

「ちっ、何かヤバいことになってんな、あのバカ! ……ツキミさん、ここで待ってて」

華琉人は繋いでいた手を解いた。

「あっちか!」

「ピカリンどうするんです⁉」走り去ろうとする後ろ姿に、クロシーは問うた。

真王なお賢木原さかきばらに連絡してくれ! 俺はチキンを救いに行く‼」華琉人は答えるなり、脱兎の如く駆けて行った。

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