第7部 これからについて


 ぐしゃ23体目のスライムを斬った。

 モンスターを倒し始めて大体2時間位経過した。草原は見晴らしがいいおかげでモンスターが集まってるところを避けて、少ないところを重点的に狙ってモンスターを倒していった。


 ほとんどスライムだけど。

 作戦もほとんど俺が前に突っ込んでいき、アキが後ろから銃を撃つという本当にシンプルな物だ。


 まぁ草原程度ではこれくらいの作戦でも十分通用すると感じた。


「コウヤ、レベル上がった?」

「とりあえずレベル3になったとこかな。」

「私も同じ位ね。ステ振りはまだしなくていいから、あとでまとめてしましょ。」


 そんな会話をしていると24、25、26体目のスライムが現れた。


『ニ連切り』

 スライムに狙いを定め、スキルの名前を言うとスキルが発動する。スキルの発動時は刀に赤いオーラがまとっていた。


 発動してすぐに上段から24体目のスライムに斬りつけた。その後すぐに刀を持ち直し下段から上段に向けて25体目のスライムを斬りつけた。


 遠くからの発砲音が聞こえると26体目のスライムに命中、スライムが一瞬で光の粒子となり消えた。

 この瞬間俺のレベルが上がり4になった。


「初めの2時間でレベル3つしかあがらないか。」

「ここじゃあレベル上げに時間がかかりそうね。」

 アキが近づいてきて話しかけてきた。


「まぁ確かに拠点をここにしてても他のプレーヤーが周りにいて効率はすごく悪そうだしな。」

「ねぇ提案なんだけど。」


 アキが出会ったときにみせた、悪魔のような笑顔をこちらに向けてきた。すごく嫌な予感しかしないだけど……目が凄く輝いている。


「ルーキーフォレストを抜けると『希望の村 ホープズ レイン』って村があるの。 」


 とりあえず俺は村の名前には突っ込まないようにした。


「それでその村の先にある洞窟を抜けると『交流都市 クラリス』って町があるの。」


 なんでここで少しまともそうな名前になるんだよ。もう少しダサいシリーズ貫けよ。


「そこを拠点にしてレベル上げって人の話聞いてるの?」


「あっあぁ聞いてる聞いてる2つ先の都市を拠点にしようって話だろ。」

「まぁそういうことね。」

「モンスターの情報がほとんどないのにいきなり2つ先の町に進んでも大丈夫なのかよ?」


「まぁ確かにそれも一理あるけど、上位プレーヤーとして戦うには少しくらい無茶をしないとダメだろうし、始まりの町の近くよりは経験値が高いモンスターがいるでしょ。まぁ可能かどうかは今日はもうレベル上げをきりあげて、町で聞き込みや情報収集に専念してから決めましょ。」


「確かに情報があるとないとじゃ天と地ほどの差があるしな、わかったよ今日の予定はそれでいこう。」


 町の入り口につくと日が暮れそうになっていた。


「ねぇこの世界の夕日ってすごく綺麗よね。」


 こいつまた似合わないこと言い出したな。

 ゴツン


「いったいな、何すんだよ。」


 思いっきり頭をグーで殴られた。


「あんた、今こいつ似合わないこと言い出した。っとか思ったでしょ。」

「い、いやそんなこと思うわけないだろ……」

「あんた分かりやすいのよ。まぁいいわとりあえず、一旦宿に戻ってからすぐにシャワーを浴びて、二手に別れて情報収集しましょ。私は宿の南側からコウヤは北側から時計回りで情報収集しましょ。」

「今18時過ぎくらいだけどさぁ、集合時間と集合場所は?」

「20時くらいにこの宿屋の近くに『酒場 バッカス』っていう飲み屋があるからそこに集合ね。」


 酒場…その響きに俺は少し興奮した。


「なぁ夜は酒を飲んでもいいのか?」

「ちゃんと情報収集をしたらいいわよ。好きにしなさい。」


 アキは大きな溜め息をはいてそう答えた。

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