弟5部 始まりの町とベタなこと

 光の粒子が広場に集まってきた。そこには大勢の人が集まっており、そこには泣いている者、発狂している者、自分の持ち物を確認している者など三者三様に動いていた。


 コウヤも粒子が集まり元の姿に戻っていた。


 すると目の前に文字が現れた。

 ~始まりの町 ルーキーロード~


「いや名前センス無さすぎだろ。」


 とりあえずここは人が多すぎる。どこか人がいないところに移動しよう。ついでに移動しながら集められそうな情報も集めよっ。


 歩きながら街並みを見ていると中世ヨーロッパを模している様に感じた。また異世界物の定番中の定番な所をついてきたなと感じた。

 人通りも多いし中には猫耳がついてたり、凄い身長の低いおじさんもいた。


 そして何より凄い気になったのはラーメン屋がある……他にも回転寿司、しゃぶしゃぶ!?

 雰囲気とあってなさすぎたろ。

 町並みを見て俺はもう突っ込まずにはいられなかった。


 そう考えていると裏通りの奥から女の子の声が聞こえた。


「嫌よ。離しなさいクズ」


 二人組のチンピラは女の子の手首をつかんでいた。


「いいじゃねぇかよ俺達とチーム組もうぜぇ」

「げへへ、仲良くなっていいことしようぜ。」


 いやいつの時代の絡みだよ。

 古すぎだろ。


 まぁいいや巻き込まれるのはめんどくさいし、気にせず見なかったことにしよっと。


「ちょっとあんた何逃げようとしてんのよ。」


 ヤバい今度は俺の手首捕まれてんだけど。


「いや、なんか仲良さそうにしてたから邪魔しちゃ悪いと思っただけです。はい。」

「あんたの目は節穴なの。」


 ヤバい巻き込まれた……

 確かによく見たらかわいいよ。

 髪は少し赤みのかかった色でセミロングくらいの長さだし、普通に好みだしかわいい分類に入ると思う、

 胸はざんねんだけど…


 ただこのとき俺はかわいいと思うより


「めんどいなぁ」


 めんどくさい気持ちの方が大きかった。

 ただでさえめんどくさいゲームに巻き込まれて、魂がかかってるからしゃあなし真面目に取り組もうとしてるのに、また厄介ごとが増える。


「なんですって」


 呟いた一言が聞こえたのか襟を捕まれてひっぱられた。


「あんた私のようなか弱くてかわいい女の子を無視するつもりなの?」


 いやか弱い女の子は絶対襟を掴むなんて行為しないとおもいますけど。なんならこのゲームが始まった時点で即行動とかしないとおもうんだけど……


「ってかあのチンピラはどしたの?」

「あっち」


 女の子が指を指すとそこには顔面を赤く晴らして、伸びているチンピラが二人いた。


「なぁもう倒したんだったら俺いらなくない?」


「私はそういうことをいってるんじゃなくて1人の人間としてのモラルに欠けてるってことをいってるの。」

「モラルのある人間が人の襟つかんでは来ないとおもうんだけど。」


 ほんとに運がない。

 ただの事故となにもかわらん。


「死ねぇ」

 チンピラの1人が突然大声で叫びながらナイフを持って走ってきた。その瞬間に俺は刀にてをかけようとしたら、


 バンッ


 乾いた発砲音が聞こえるとチンピラは尻餅をついて座り込んでいる。

 両足の間に玉がめり込んでおり、泣きそうな顔をしていた。


「しつこい次は当てるけど。」

「すっすいませんでしたぁーー。」


 もう1人のチンピラが倒れてる仲間に肩を貸して、走って逃げていった。

 ヤバいこの女と関わってると本気でややこしいことに巻き込まれる気がする。


「あんたの武器は近接系の剣でしょ。鞘の形からして日本刀っぽいけど」

「そっそうだけどとりあえずこの手を離して話そう。っな」


 よし離れた。

 後は隙をみて逃げるだけだ。


「あんたもし逃げたら本気で撃ち殺すから。」


 はい、逃げるの選択肢が消えた。


「私の名前はアキあんたは」

「コウヤだよ。」

「顔に似合わない名前ね。」

「ほっとけ。っで用件は何?」


 アキは何も言わずに銃をとりだして、俺の額に銃口を向けてきた。

 そして表情は悪魔のような笑みを浮かべてきた。


「あんた私とパーティー組なさい。」

「嫌です。」

「殺す」

「まてまてまてまて,話が読めないだけど。なんで俺とパーティー組むんだよ。俺より頼りになりそうなのはやつは何人もいるだろ。」


 自分で言ってて少し悲しくなるわ。

 冗談じゃないこんなじゃじゃ馬のような女と一緒に過ごせるか。


「確かにあんたより強そうなやつは何人もいたけど、私人を見る目はあるの。他のやつよりあんたと組んだ方が生き残れる確率が上がるとおもったのよ。」


 とんだ節穴な目をしてるなこいつ。

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