弟3部 ゲームのチュートリアル2
思い返せば俺の人生はよく事件にまきこまれている。
最後にいた彼女は、自殺しそうになっていた女の子を助けてたら、その子に付きまとわれるようになり何だかんだで付き合ったが、彼女に二股していると勘違いされて包丁で殺されかけて別れた。
特に犯罪を犯したことはないのに、何かしらの事件があるとなぜか捜査線状に俺の名前が挙がり13回も事件に無関係なのに事情聴取に呼ばれたこともある。流石に5回目を越えた辺りから刑事さんも「また来たよこいつ」みたいな目で見られていた気がした。
そんな面倒ごとに巻き込まれやすい俺がまた何かしらの面倒ごとに巻き込まれたような気がする。
「ではこのゲームのクリア条件、説明させていただきますね。」
「ちょっと待てよログアウトできないってどういう意味だよ。」
「そのまんまの意味ですよ。一応このゲームのクリア条件を満たせばログアウトはできます。それ以外にはペナルティが発生することになっております。」
「よくある話ゲーム内で死んだら現実世界でも死ぬ。そういうことか?」
天使の顔が急に真顔になり、一瞬間が空いた、大体5秒ちょっとぐらいだろうけど俺にはすごく長い5秒に感じた。
「あはははは、あははははははは」
真顔になったと思ったら、今度は急に笑いだした。
普通に頭おかしいじゃねーのこいつ。
「大丈夫死にはしないから、でも死んだ方がましかもしれないけどね。」
「どういう意味なんだよ。」
笑ってることにすごく腹が立ち、思わず俺は感情的になった。すごく刺々しく怒りを込めた。
「おー怖い怖い、ペナルティは魂の消滅です。正確にはコウヤ、あなたの意識を新しい意識に書き換えさせていただきます。」
「意味がわからん」
「まぁそうですよねぇ。簡単に説明しますと
人間の記憶を保存しているのは脳ですよね、脳は記憶をする際に微弱な電気信号を送ることにより、小さいときの経験や出来事を記憶します。それらの経験や記憶それと遺伝子の情報をもとに人間は人格を形成しています。」
ヤバいこのこの話ついていくだけでやっとだ……
「顔がポカーンとしてますよ。もう少し砕けて説明しますね。脳内で送りあっている電気信号を私達の都合のいいように書き換えます。そうすることでクリエイティブズ カンパニーに忠誠を誓う奴隷を量産することが私達の目的なんです。」
天使は両手を大きく広げて笑顔でとんでもないことを言ってきた。
「すまん、話が飛躍しすぎてもうついてけないんだけど。要はゲーム内で死なないでクリアしたらいいだけの話だろ。」
大丈夫、俺はゲームが得意な方だし今まで色んなRPGを何回もクリアしてきてる。死なない様に気をつけてればいいだけの話だ。
そう考えてたらテンは少し不気味な笑みを浮かべていた。
「ふふふっそんな簡単な話ではないんですよね。このソウル クリエイティブズの世界には13個の隠しダンジョンがあります。それを666人のプレーヤーで挑んで頂き、その13個の隠しダンジョンを攻略できればクリアとなります。」
「666人もいるんだったら13個のダンジョン位はすぐ攻略できると思うんだけど。」
「『隠しダンジョン』って言いましたよね。ある一定の、条件を満たした時に隠しダンジョンは出現します。
それは1人ではできなかったり、特定のレアアイテムを使ったりと様々ですし、一つの隠しダンジョンでも出現条件は様々あります。そして隠しダンジョンは1つ攻略しないと新しい隠しダンジョンは出現しない仕様になっております。
以上がダンジョン攻略の方法になります。」
テンは大きく息を吐いた
「なのでいくら人数をかけたとしても攻略には時間がかかりますし、そもそも隠れてるダンジョンなので出現条件がわかるまで、みんな何もできない様になってます。」
「あと1つだけ質問してもいい?」
「答えられる範囲でよろしいのでしたらどうぞ。」
「このなにもない暗闇の世界でもう10分位は過ごしてるんだけど、現実世界と時間は平行して進んでるわけ?」
「いい質問ですね。この世界の時間は地球時間で1分経過するとしたら、この世界では約1年ほど経過してる状態になります。」
!?
こいつしれっととんでもないこといってんぞ。
「あービックリしてますね。まぁなので時間のことは気にしないでゲームを楽しんでくださいね。」
「いやそりゃあビックリするだろ。」
「とりあえず私からの説明は以上になります。666人がログインしてチュートリアルが終わり次第ゲームを開始します。」
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