食べられる皿※グロ有

とある街のとある一軒家、そこにはとある高校生姉妹が暮らしていた。


両親は二人して外出している。なんでも揃って出張とかいって、一週間前に家を出た。早くても来月まで帰ってこない。


家にいたのは妹だった。名は藤崎真智。彼女はリビングの椅子に座って、そわそわと姉の帰りを待っている。


姉の凜は、学内では最高クラスの美人とされている。ふわりとしたセミロングのボブが特に男子の中では話題であり、それをネタに同人を描き上げる強者も中にはいる。すらりと伸びた脚も手伝い、真智にとっては自慢の姉なのだ。


その姉の帰りを、真智は待ち望んでいる。凜は部活でいつも帰りが遅い。殊に今日は8時をまわっているというのに帰ってこないのだ。


流石に心細さを覚えた頃、玄関の鍵が開いた。


音のする方を振り返ると、やがてドアを開けながら凜が現れた。


「ただいまー」


その声を聞きつけ、すぐさま駆け寄る真智。


待ちわびていた分、強めのハグをした。


「お姉ちゃあああああん!おかえりいいいいい!」


姉に頬擦りする妹。


「もーそんなに待ってたの?」凜は真智の頭をポンポンと叩く。


「もー、帰ってこないから心配したんだよ。」


「あらあら、それは悪かったわね。」


「良かったぁ…」


「ふふふ」


ここで、真智の様子が、どこかおかしくなった。何やらよそよそしくなったのだ。


「それで、お姉ちゃん…その…」


顔を赤らめながら、もじもじしだす真智。その仕草を凜は見逃す筈も無く、寧ろ見抜いている感じで、


「あらあら、もう欲しいの?」


「…うん、だってもう…ここまで匂いが…」


「もう、しょうがないわね。じゃあ、後ろに回りなさい。」


「うん!」


真智は言われた通り、凜の後ろに回り、しゃがみ込んだ。


凜はテーブルに手を付き、少しの笑みを浮かべながら、


そして、右足を真智の方に上げた。


真智の目の前には姉の足裏が映る。いつも履いている、薄地の白のリブハイソックス。しかし、常軌を逸しているのは、凜のそれは、一週間履きっぱなしであった。


夏の日の学園生活に加え、体育でも部活でも同じ靴下を履いた以上、それは尋常でない匂いを放っている。


そんな鼻も曲がりそうな靴下を、真智は嬉しそうに嗅いでいた。汚れの薄く付いた足裏を持ち、鼻に付けて、そこから放たれる匂いを吸い込む真智。


彼女らがこんな事をする様になったのは、半年前、真智が脱衣所から凜の靴下を持ち出し、自室でそれを嗅ぎながら自慰をする様を姉に見られてからである。凜が問いただすと、一日履いた靴下の匂いが好きで毎日こうしていたという。


その言葉に好奇心をくすぐられた凜は、それから親のいない所で足の匂いを嗅がせ、時には三日履き通す荒業もやった。今回は両親の出張をいいことに、一週間も靴下を替えていない。


そんな足に、真智は褒美を賜ったとでもいうようにがっつく。


その匂いは真智にとってはとろけるように芳醇で、真智は足裏の前で何度も深呼吸し、やがて一分と経たぬ内に、他の事など考える事が出来なくなった。


「んもう、そんなにがっついちゃって。やっぱり変態さんねぇ。」


「んー、だってぇ、しょうがないじゃん、良い匂いなんだもん…」


「こんな所、学校の子達に見られたら評判下がっちゃう。早く私の足から卒業してくれないかしら。」


「嫌だよぅ…お姉ちゃんだって、ノリノリじゃん。」


「あら、言ってくれるわね、そんな子は…えいっ」


凜は口元を広げながら、嗅がせていた足を更に真智に近付けた。鼻に密着すると共に、匂いも増幅する。真智の鼻息は更に荒くなり、それが当たってくすぐったさを覚えた足裏は指を少しばかり蠢かせる。そして遂に我慢していた声が漏れたのを凜は聞き逃さなかった。


「ふふふ、足の匂いで感じちゃうなんて、妹ながらどうしようもない変態だわ。」


「ぅふぅ…分かっててやったくせにぃ…」


お互い顔を合わせていなくとも、こんな会話が成り立ってしまう辺り姉妹である。


そして、嗅いでいた足裏に頬擦りをし、真智はある問いを投げかける。


「そういえばお姉ちゃん、今日何で遅かったの?」


「あぁ、それね…実はねぇ…」


凜は思い出した様に、鞄を開けて中から物を取り出した。そして封を開けると出て来たのは、一見只の皿である。


「帰りに雑貨屋で面白い物を見つけちゃってね。何でも、食べられる皿って言ってたわね。」


「お皿?」


「えぇ。」


凜が両手に掲げたそれは、淵に幾何学的な模様をあしらった、それ以外には何ら特徴の無い皿。それが『食べられる』ものとして売っていたという。珍しいもの好きの凜はすぐに心惹かれ、衝動買いしたらしい。


「食べられるん…だぁ…」


「ふふふ、信じられないでしょう?こんな陶器が食べられるだなんて。」


嬉しそうに話す凜。


「さーて、これをどう料理してやろうかしら。」


皿を一舐め。


「さて、これでご飯作っちゃうわよ。真智ももう足離して。早速ごh」



突然、凜の声が止まった。直後、頬擦りしていた足裏が痙攣を始めた。それはしかし、真智の鼻息でくすぐったくなった時とも、凜が故意に動かしているのとも違う、いつも以上に足指を暴れさせている。


突如痙攣を始めた足裏をしばし見ていたら、何かが落ちた様な乾いた音がした。


一連の現象に違和感を覚えた真智が、足を持ち続けながらも上を見上げると、そこには凜がいた。


彼女は全身を痙攣させて立っていた。制服の襟元には何やら赤いもの。そして、その上にある筈の頭部が、きれいさっぱり失せていた。


真智がこれを理解するのには暫くかかった。固まっている間にも、雑に切断された頸部の断面からは血が吹き出す。そして後、その身体は真智の方に倒れてきた。


すんでのところで回避した。頭部を失った身体はそのまま仰向けに倒れ込む。そして尚、全身を痙攣させている。


ふとテーブルを見る。そこには、凜が道中買ったと思しき皿。その中央で蠢く謎の成分。


奇妙で武骨な形をしたそれはどこからか湧いてきた害虫ではなく、明らかに皿の中から出て来たものである。蠢く触手には鮮血と、何か臓器のようなものが付着している。


これを見て、真智は理解した。



「食べられる皿」というのは、食用可能という意味でなく、こちらが皿に食べられる、という意味だったのだ。そして凜は、その皿に頭を食われてしまった…



衝動に駆られた真智は、その皿を掴み、振り上げ、力一杯叩きつける。すると、皿は真っ二つに割れ、あの珍妙な触手も消えた。


終わってみると、あっけなかった。テーブルには姉が撒き散らした血がこびりついている。


真智は目に涙を浮かべながら、その場にへたりこんだ。そして、後ろを振り返ると、凜はまだ痙攣している。


「お姉ちゃん…仇、とったよ。」


もう何を言っても何も返ってこないと解りながら、こう呟くしかなく、真智は声を震わせた。


「仇…んっ、とったからさぁ…」


問題はここからであった。何しろ先程まで姉の足裏を愛撫していたのである。


「もう…ビクビク…やめてぇ…」


一週間ものの靴下を履いた足、ただでさえ遠くからでも匂いがするのに、それが痙攣するにつれ、真智の鼻を刺激する。


目に涙を溜めながら、荒くなる息をどうにか抑えようと頑張る。


「お姉ちゃん、死んじゃって…私…」


「ビクビク…やだぁ…」


目の前で乱舞する肉体に涙が一滴零れた。しかし明らかに真智の両手はまた足を掴んでいる。


「お姉ちゃん…お姉ちゃん…」


繰り返しかける言葉とは裏腹に、真智は震える足裏を顔に近付ける。そして


「お姉あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


痙攣を止めない足裏に鼻をつけ、再び匂いを吸い込んだ。


「お姉ちゃあぁん!足ぃ、ぅぅ、臭いよぉぉぉ!」


先程よりも濃厚な匂いが伝わって来て、しかも足指がそれを手伝っているから、嗅いだ瞬間正気を失いかけた。


しかし、この時は足裏の方からも顔に押し付けてくる。その動きを真智は、拒む事無く、寧ろ歓迎して応えた。


「んぅ…お姉ちゃん、やっぱ良い匂い…」


「食べられちゃってビクビクしちゃうお姉ちゃんも好き…」


「まだ温かいのね。でも、私の事散々変態とかいうのに、お姉ちゃんも自分の足嗅いで欲しいんだね…」


「お姉ちゃんも立派な変態だよ…」


「でも足だけのお姉ちゃんの方が良いな、」


「だって、ずっとこうしてくんくん出来るもん…」


「あっ…」


ふと見た先に、股間からの失禁を確認した。トイレを我慢していたのか、それはとめどなく溢れてくる。


「お姉ちゃんのおしっこ…」


好奇心に駆られ、その陰唇をつついてみた。すると、些か痙攣が激しくなった気がした。


面白くなって、ずっと刺激していた。段々激しさも増してきて、そしたら、


陰唇から白いものが勢いよく迸った。


白濁の液を股間から吹きながら壊れた様に下半身を蠢かす様を見て、真智は嫉妬しだした。


「お姉ちゃんだけ気持ちよくなって、ずるい。私だって…」


そういってまた足裏に鼻をくっつけ、思い切り嗅いだ。


性器を弄りながら嗅ぐと容易に快楽は溜まる。快楽の声も次第に漏れるが、ただ出してしまうのが勿体なく感じたのか、もう片方の足を使ってしごきだした。


片方の足は指で鼻を掴みその匂いを送り込み、片やもう片方では、痙攣する足指が的確に股間を焦らす。


そしてもう耐えきれなくなって


「ーーーーーーーーーーっ!!!」


真智はイッた。想像以上の快楽が大挙して押し寄せ、ガクガクと下半身の制御が効かなくなった。


姉の足裏に顔を押し付け、声にならない喘ぎ声を発し続ける真智。この瞬間ばかりは姉の匂いと快楽のせいで言語という概念すら抜け落ちていた。


そこから落ち着きを取り戻したのは、実に半時間も経っての事。


「はあぁぁぁぁぁ…お姉ちゃぁぁん…」


通常なら遊戯はとっくに終わっていい頃合い。しかし真智はどうしても足から離れたくなくて、足の親指を甘噛みした。


それに呼応するように指が口元を撫でる。


「何か…変な感じ…でもね、」


「お姉ちゃん、大好きだよ。足の匂いも、そんなのが好きな私を受け入れてくれたのも。本当だよ。」


先程から解っている、もう何を言っても頭部が無いから返事など返ってこない。しかし真智は姉に向かって言葉を発し続ける。


真智が注目したのは、何か言う度に足裏がピクンと動く事。


それを彼女が解釈するには、


「…お姉ちゃん、こんなになってもビクビクしてる。」


「…じゃあ、今日からこっちがお姉ちゃんだね。」


真智は足裏に向かってこんな事を言い出した。そして、


「じゃあ改めまして、宜しくね。」


あろうことか口付けをした。それを受けてか、足指も真智の鼻を撫でる。


「んもー、お姉ちゃんくさーい、あはは」


それから真智は、足裏に向かって、いつも通りに、今日学校であった事とか、たわいもない事を話し続けた。



一時間後、親の代理として遅れて来た親戚が、その光景に絶叫し、やがて一つの怪事件が世間を賑わせる事となる。

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