ドーリィ

ドーリィ。

服用することで妄想力が一時的にアップする薬物である。


ドリームマシーンは本来その妄想視覚型変換機という名のとおり、個人の妄想を視覚として再現するものであり、視覚化した妄想には実体が無い。


マシーンに問題があることが発覚したのは発売してから間もなくに起きた事件である。マシーンは当初、18歳未満使用禁止ではなかった。


11歳の少年がマシーンを使用した際に、彼の妄想した怪獣が実体化した。死傷者128名を出す事件となる。

似たような事件がいくつか起きるのに時間はかからなかった。

メーカーはそういった事態を全く予想していなかったと発表。

マシーンは回収騒ぎとなる。

あらゆる年代や性別のモニターを集めた検証の結果、18歳未満の子供がマシーンを使用した場合に、妄想が実体化する可能性が高いことが判明。


しかし何故かそこでマシーンは発売禁止にはならなかった。

改良すらされていないまま、また発売である。

18歳未満使用禁止の規約が申し訳程度についたのみであった。


その後、大人が使用しているにも関わらず妄想が実体化する事件が起きた。

これにより、ある種の薬物を使用した人間は妄想力が増加し、実体化にまで至ることが判明。


いつの間にか、妄想力を高めることのみに特化した薬物ドーリィが違法に開発され、一部で蔓延した。


ドーリィの蔓延は、ドリーム戦争と呼ばれる大事件に発展までする。

警察は妄想対策課を設置することになり、課の人間には非常事態にのみドーリィの使用が許可された。

しかし、妄想事故、妄想事件は大小様々だが毎日のように起きている。


それでもマシーンは発売され続けているのが現状である。


マシーンを開発したメーカー、リアルドリームカンパニーは黒い噂が絶えない。

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