つまらない小説を書く人へ

 自分で自分の小説を「つまらない」と思っているそこのあなた。


 見込みがあります。



 感想を言われても、ぴんと来ないときってあります。いつもいつも、ちがう人から同じ問題点を言われる。だけど自分ではなにがいけないのかわからない。


 だけど運がよければ、ある日ぴーんと気づくわけです。


 自分で自分の文章を読んで、「あっ、こんなことしてるからつまんないんだ!」とわかるわけです。


 ここで気づけたらしめたもんです。理由がわかるなら改善するのはわけないですからね。逆に、気づけない人はいつまでたっても向上できません。世の中はキビシイ。




 感想の中には、正しい指摘もあれば、どう考えても「おまえ読解力なさすぎだろ……」と相手を疑う意見もありましょう。


 感想は、すべてを聞き入れてはいけません。


 もしもその意見が、自分の小説にとって効果的ならば即刻取り入れるべきですが、「そもそもそんな話が書きたかったんじゃねえし」と思ったならば、聞き流して結構です。


 シリアスな少女漫画を書いたつもりだったのに「これはバトル漫画としてはつまらない」なんて阿呆な意見を言ってくる馬鹿も、この世にはいるのです。


 なのでそういった輩には心の中で「うるせーばーか」と思いつつ、表向きはにこにこしながら「読んでくれてありがとうございます」などとお茶を濁してください。


 相手を攻撃してはいけませんよ。大切な読者です。

 いつかめちゃめちゃ面白い作品をつきつけて復讐してやってください。



 あなたはその小説における神なのです。

 なので小説がよくなることならばなんでも取り入れましょう。

 ただし、小説が台無しになることには、決して手を出してはいけません。




 アウトプットをし続けましょう。インプットも忘れずに。

 常に新しい何かに挑戦して、「自分にできること」を少しずつ増やすのです。


 恋愛ものが書けないのなら、いっそラブロマンスを。

 プロットトリックに感動したのなら、まずは模倣でもいいので、おなじものを。

 ですます調も、一度書いてみる。

 一人称がいちばん簡単です。三人称一人視点、三人称カメラ視点、三人称神視点と、難易度をあげてみましょう。



 ちがいがわからない人は、自分で調べてください。私がここで書いても意味がないのです。自分で能動的に気づき、調べることが、なによりも向上につながります。


 人にあれこれ言われたって、響かないときはいっこも響かないのです。

 だから自分で気づいてください。


 自分の欠点は?

 苦手なことは?

 あこがれていることは?


 本当に書きたい、面白いことは?



 ひとつずつクリアしていけば、五年、十年先が、めちゃめちゃ楽しくなります。

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