第7話

 え?確かに押すように倒してしまったけどその表現はまずいよ。

 教室中にざわめきが広がる。


「おい、マジかよ……」


「結城君、サイテー」


 クラス内での僕の評判が、がっくりと落ちた瞬間だった。


「ちょっと待て……

 これには、色々と訳が!

 ねぇ、瞳助けてくれよ」


「わ、私知らーない」


「押し倒されたって本当なのか?」


 担任が真顔で、水谷に聞いた。


「はい。

 そして、逃げられました」


 さらに、クラス中がざわめく。


「うわぁヤリ逃げかよー」


「あぁ、私の中での結城君のイメージが……」


「遅刻ギリギリだったのは、こんな理由があったのか」


 こういうときって、どう説明すればいいのだろう?

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