第6話

 ガラガラガラと教室の扉が開く。


「おい、お前ら席に着け」


 担任が入ってきた。

 それに、合わせて瞳も自分の席に戻った。


「おい、今日は、昨日言っていた転入生の紹介をするぞ」


 担任の後ろをひょいひょいと小さな女の子が入って来た。

 その女の子は、担任の隣に立つと、小さく会釈した。


「じゃ、水谷さん自己紹介をしてくれ」


「水谷 奈々」


 女の子は、小さく呟いた。

 その声は、後ろの席に座っている僕にかろうじて聞こえるものだった。


 でも、この子どこかで見たことがあるような。

 瞳の方に目をやると、うんうんと僕の方を見て頷いたいた。


「あ……」


 水谷さんが小さく声を上げた。

 僕の方を見ている。


「ん?どうした結城弟と知り合いか?」


 担任が、水谷の視線に気づくとそう言った。


「はい」


「どんな知り合いなんだ?」


「さっき押し倒されました」

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