第3話

「遅刻したら、アンタのせいだからね!」


 溜め息混じりに、瞳が言う。


「口を動かす暇があるのなら、足を動かす!」


 すると瞳は、僕のお尻にキックをしてきた。


「おわっと」


 僕は、バランスを崩してそのまま前に倒れる。


「きゃ……」


 すると見知らぬ女の子を下敷きにしてしまった。


「す、すみません」


 僕は、すぐに立ち上がるとその女の子に謝った。

 女の子は、きょとんとした顔で僕の方を見ていた。


「あ、あの怪我とかはありませんか?」


 女の子は、首を横に振った。


 なんか気まずいな。

 瞳は、僕と女の子を交互に見ている。


 うーん

 うーーん

 うーーーん


 改めてみるとその女の子は、見知らぬ制服を着ていた。


 よし!

 逃げちゃえ!


 僕は、全速力でその場を去った。

 瞳も、そんな僕を追いかけるようについてきた。


「コラ、逃げるなQQ」


「そう言う自分も逃げてるじゃないか!」


 僕たちは、走った。

 とにかく走って、走って走りまくった。

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