【雑談】熱意。

 前回の雑談で少し触れたことを、今回お話したいと思っています。結論から言うと、熱意というものはちゃんと伝わるんだねってことです。


 情熱。燃えるように苛烈なアプローチ。

 そう、それこそ熱血と呼ばれるような人を熱意溢れるというのであって、私は無縁かな、なんて思っていました。ひとつの先入観ですよね。熱意は「そうじゃないだろ!!」「いいぞ!!その調子だ!!」みたいに暑苦しく叫ぶものだと、勘違いしていたようです。熱意を持つ人にそういった表現をする人が多いだけ、だったんですね。


 私の書評に対して色んなご意見、ご感想を頂きました。ひとつひとつが私にとって大切な宝物です。私に寄せられるコメントで多かったのが、「私の書評からは熱意が伝わってくる」というもの、もしくはそれに類する言葉でした。

 私は私のことを熱意溢れる人間だなんて思ってなくて、そう言われたときはびっくりしたのを覚えています。そんなに苛烈な物言いをしただろうか?と。でも違ったんですね。受け取ってくださった方は、私の書評にある「誠意」を「熱意」と汲み取って頂いたんだと、後に気づけました。


 誠心誠意であることは努めてきました。仮にも書評と題してやる以上、惰性や妥協で取り組みたくはない。作者さまが全力で書いた小説なのだから、私も全力で応えたいと。そうやって取り組んだ誠心誠意が、情熱や熱意という言葉で返ってくる。

 感動でした。憑き物が落ちたようでした。


 物書きとしてどうかと思いますが、私の言葉は所詮文字であって、文字だけでは抑揚やテンションの上がり下がりは伝わらないと思っていたんです。文字になることでどうしても淡々とした綴りかたになってしまうのはわかっていましたし。

 でも受け取ってもらえるものなんですね。私がどこまで踏み込めたのか、深く読みといたのか、あらすじ含めて作者さまの意図をどれだけ汲み取れたのか、それを踏まえた上で提案ができていたのか。

 そういった私の中の認識を文字にしたことで、「ここまで読んでもらえた、理解された」と思ってもらえることが、誠意の示しかただったんですね。そしてそれを、熱意として受け取ってもらえるんだと。


 この気づきは、きっと小説でもおなじなんだろうなあと感じました。薄っぺらいセリフは響かないし、思い入れの強い一文は突き刺さる。それはどれだけその言葉に向き合って、深く掘り下げて、文字として昇華できるかなんだなと。


 私のレビューは今まで「厳しい」と言われたことはあっても、「熱意ある」と言われたことはありませんでした。私が積み重ねてきた道のりがひとつ、プラスの結果として出たのであれば、それは何よりかなと思います。

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