みかの宇宙人さん事件

 七夕? そんな季節感あるイベントは関係ないぜ! という私です。現在書評企画と並行して拙作にご意見を戴く機会もありまして、やりたいことで溢れておりちょいとわたわた。それはさておき今回も慎んで書評、参ります。

 三十三冊目はけろよんさま著「みかの宇宙人さん事件」です。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054881396524


【あらすじ】

 小学校にあがるみかちゃんがUFOを見たのは一番星を探している夜だった。その日も夜にお星さまの数を数えていたら、突然空に現れた不思議な物体。「UFOだ!」確信したみかちゃんは翌日、お友達のけいこちゃんと一緒にUFOを探す冒険に出る。次々と起こる不思議な現象、それは現実なのか空想なのか。


【魅力】

 小学生にあがったばっかりのみかちゃんを主人公に、お友達となった女の子たちと繰り広げるちょっとした冒険。奇想天外な出来事もみかちゃんの前には楽しめるものに映ったりと、子供ながらの無邪気さが魅力です。お池のコイさんにエサをあげるために奮闘したり、仲間はずれにはしたくないからと助けようとしたり。子供だからこその純真な思いやすべてを疑ったりしない直情的な行動は、大人が主役ではないからこそ輝くのだと思います。


【改善点】

 登場人物の年齢や知識に応じた語彙、という話を前回させて頂きました。今作もその辺少し気になったりはしたのですが、どちらかと言うと文章のテンポの方が気になりました。作者さまごとの文体、テンポ、描き方。そこにはそれぞれのこだわりがありますから、あくまで一個人の見解です。

 今作ですが、同じ言葉を繰り返し用いていることが引っかかりました。それで文章としてテンポを作る方もいますから、リフレイン自体を否定する意図はありません。「~泣いた。~泣いた。~泣いてしまった」というように、「泣く」という表現が何文か続いているのがリフレインではなくワンパターンに、もう少し言うと語彙が少ないように受け止められかねない。そう感じた次第です。

 何もすべてに比喩だとかを濫用しろと言いたいわけではありませんが、二章続けてみかちゃんが泣いてしまうシーンなどは、ただ「泣いた」のではなくすすり泣いているのか声をあげて泣いているのか、そういった涙の違いを文章で描いてあげるとより想像しやすいかなと感じました。みかちゃんの世界なら擬人法なども生きてきそうです。


【その他】

 続けて子供が主役のお話を読んでいるせいなのか、私がロリコンなだけなのか。子供って無邪気でいいよなあ……と微笑ましく思う日々が続いています。蛇足ですね。

 以下更に脱線するのですが、今はまっているゲームがいろんなアイドルを育てて踊らせるものなんですがね。その中に出て来るプロ意識の塊みたいなアイドル(幼女)がおりまして。年相応の子供も可愛いんですけど、大人の社会を知ったちょっとすれてる子もそれはそれで好きだなという話です。余談が過ぎました。

 最後に、このたびは書評企画にご参加頂きまして、ありがとうございました。

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