誘買い犯
十三。それは悪魔の数字。それは666だって?細かいこと気にしないのです。ちなみに私の好きな数字は2です。聞いてないけど。
閑話休題十三冊目。ポテろんぐさま著「誘買い犯」、参りましょう。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885926539
【あらすじ】
唐突に渡された三千万円。息子の命を助けたければ、三千万円を「使いきれ」――荒唐無稽な誘拐犯の要求。男は困惑しながらも、息子を守るために大量の買い物を遂行する。徐々にエスカレートする「要求」、その果てに待つものは何か。
【魅力】
理由のわからない事象には、納得できるだけのワケを求めてしまうもの。ミステリーの醍醐味とも言えますし、最大の見せ場でもあります。誘拐犯が不可解な要求をするのは何故か?その理由こそが最大の意外性であり、読了後のしてやられた感に繋がるのだと思います。
そして、タイトルの言葉遊びが好きです。短いタイトルのなかにコンセプト、あらすじ、それらが詰まっている。極論読まなくてもなんとなくツボをついてくる、そんなセンスにくらりとしました。中心となる主人公の「何を買うか」が、個人的には気になって読んでいました。
【改善点】
短編の長所であり短所は、短いこと。短いなかにどれほどの情報を、読者に違和感と苦痛を与えずに提供するか。その取捨選択にあるのでしょう。
序盤と終盤の情報量、というよりは描写量の違いが気になりました。導入は丁寧に、緊迫した主人公の状況というのが説明されています。しかし終盤の種明かしになると、やや性急というか、もうすこしゆっくり状況を整理したいな、と感じてしまいます。主人公が徐々に疑いや疑問を抱くようになったときの
言動、状況整理。運命の一日を終えた際の彼の心境というのが疲労感があったとはいえあっさりとしていたので、そのあたりをもっと掘り下げていくと、「誘買い犯」の種明かしがより克明になるのではないかと思います。
【その他】
短編とミステリーの悩みどころ、あらすじ含め説明しすぎるとネタバレになってしまう問題。最初の状況がシンプルなだけに、「あとは読んでくれ」としか言えなくなるのが悔しい限りです。とにかく読め!というのはあまり好きではないのです。説明を放棄しているような気がして。書評するからには「読みたい」と思わせるような言葉選びをしたい。それなのに「読め」というのは本末転倒だよなあ、と私は思うのです。
ネタバレのないように魅力を伝えるすべ、もっともっと勉強しなくてはなりませんね。いい教訓と受け止め、おしまいとさせて頂きます。このたびは企画に参加頂きまして、ありがとうございました。
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