Amazones Lily ~気高き華の調べ~
十二冊目、雲英さま著「Amazones Lily ~気高き華の調べ~」。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885797658
ちょっと今まで読んできた小説とは毛色が異なりました。その点も含めて書評です、参りましょう。
【あらすじ】
璃里は順風満帆な社会人生活を送っていた。仕事は順調、恋人とも円満。これから更に幸せの階段を上っていくのだという矢先、誰も予想し得なかった事件が起こる。「悪魔」を降臨させるというカルト宗教に捕まったことで、璃里はその身を「悪魔」に贄とされる。身も心も略奪しようとする「悪魔」と、彼らと戦うエクソシスト。その異常な戦線に璃里は足を踏み入れようとしていた。
【魅力】
説明書きにもあるとおり、洋モノの会話やテンション、言い回しが特徴的です。恋人との朝のやりとりが特にそれっぽい。隙あらばスキンシップ、そしてキザにも受け取れるかっこつけなセリフたち。それが逆に洋モノらしさというか、日常パートの「あるある感」を演出しています。璃里の幸せな日常を描き出す上では効果的な文章だと思います。
文章の量は非常に多いのですが、それに嫌悪感を抱かせない読みやすさが、疑問に思える魅力です。どうしてでしょう、言葉選びの巧さでしょうか?まだるっこしい表現がないぶん、文章が多くても苦に感じないのかもしれません。
【改善点】
日常パートの読みやすさと、まるで空気のように違和感のない文章。現代ドラマや人間関係に焦点を当てるのが上手いなあと感じて読んでおりました。
難癖をつけるとすれば、日常から反転する非日常のパートでしょうか。悪魔とエクソシスト側、視点を頻繁に変えて両面から説明をしているせいか、日常パートに比べわかりにくい意味での複雑さが目立つように感じます。なんでもかんでも読みやすければいい、ということはありませんが、日常と同じ文体で書くとやや単調に感じるかもしれません。悪魔が璃里に迫るシーンなどはねちっこい彼の性格を押し出した描き方をするなど、フォーカスする部分を選んであげるとメリハリがついて非日常の異常さが際立つかなと思います。
【その他】
海外ドラマっていうとまず思い出すのはアメリカです。法廷ドラマや科学捜査系のドラマがシリーズ化してて面白いんですよね。ヨーロッパだとBCCが日本でも人気のドラマ作ったりしてますよね。NHKでたまーにやってくれるので、それが楽しみだったりします。
今回の小説は、どちらかというとアメリカ寄りのテンションなのかな?なんて予想しつつ。このたびは書評させて頂きましてありがとうございました。
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