Ep1妄想と現実の境 序章2

 「そういや、これどうやって現実に戻んの?」

 「簡単さ!目つぶれ!」

 「こ、こうか?」

 俺は目をつぶりながらこの後どうするのか期待半分恐怖半分の気持ちで待っていた。その時――

  

 ―――バチン――――

 「痛っ!」

 目を覚ました時、僕は誰もいない教室で一人席に座っていた。

 「帰るとするか」

 帰ってまたあの世界に戻り起こりうる未来を視ることにした。きっといい未来はないだろうが。。。



 「そういや発動させる方法聞くの忘れた。。。」


 ―――――――――!?。


 「馬鹿だねえ本っ当に」

 「えっ!?」

 「普通LOGOUT(離脱)方法の前にRELOGIN(復帰)のほう聞かないかね。」

 「それさ、先に言わないかね・・・。」

 「まあね、忘れてたから!」

 「んまあ、それはいいとして、どうやって入るのこの世界に。」

 「こっち側としてもそれはまだわからないんだけど、一つは俺が呼んだとき、もう一つは俺とお前のココロが一致したときの二つが確実にわかっている方法だ。」

 「一方的に入ることはできないってことか?」

 「あるとは思うが今はわかってない。」

 「そういえばお前管理者じゃなっかったか?管理者にもわからないなんてことがあるのか?」

 「あるさ。この世界の創造者はもちろん君だ。しかし管理者は俺なんだ。管理人である俺にわからないことがあるということは複雑な『コード』、つまり『記憶を隠す鍵』が通称『基盤システム』(世界生成システム及び未来予知観察システム)に掛けられてている。これにアクセスするには創造者自身が創造者権限を取り戻すほかない。」

 「創造者権限っていうのは何ができるんだ?」

 「それは大きく分けて二つと言われている。一つは『基盤システム』を自由に操れる。もう一つは・・・。」

 「もう、ひとつは・・・?」

 「『現想』の高位管理者権限・・・。」

 「なるほどな。で、その権限はどうすれば手に入れられる。」

 「まだわかっていない。」

 「そうか、わかり次第教えてくれ。」

 「ああ。わかってる。」

 「じゃあLOGOUTするよ。」

 「了解。」


 ―――バチン―――

 

 果たしてビンタ以外にログアウト方法はないのだろうか。。。


 

 次の日



 「おーい!ゆうじ知ってっか?」

 「何を?」

 「3年の先輩にマジかわいい人いるんだよ。」

 「フーン。」

 「見に行こうぜ!な!」

 「うん。まあいいけど」

 正直期待はしていなかった。友達の言葉に流されしょうがなくついてった。

 「どーせ・・・。」

 「どうだ???」

 「か、可愛いかも。。。」

 期待はしていなかった、しかし心の中の誰かが期待していた。彼女はとてもスタイルもよく、顔も可愛さの中に少しカッコよさを持っている。完全に僕の好みであった。

 「名前は?」

 「ななみって言うらしいらしいぜ!可愛いよなあ本当に!」

 「ああ。」


 ・・・俺のココロに波長を合わせろ!


 「わ、悪い。腹痛くなってきたからトイレ行ってくる!」

 「お、おお。トイレでよからぬことなんかすんなよ!」

 「う、うるせえ!」


 ・・・・・・・・・


 ――――――。


 「どうしたんだ?」

 「創造者としての初めての仕事だ!」

 「内容は?」

 「お前がよく話してる女居るだろ。」

 「ああ、りりのことか?」

 「あいつの未来に起きることの理解と対処だ。」

 「は、はあ?」

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知らぬが仏 知るが鬼 EP1 乾辰巳 @hosini

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