第153話
さて我が家の方では母と私の指輪数点、かんざし、帯止めなど思い出の品も含めて供出した。翌年になると尚厳しくなり「未だある金属出せ、今だ」と呼びかけで非常回収が強化された。当時としては残しておきたくても、所持しているのを誰かが知っているかもしれないのと云う思いもあり、隠していると非国民扱いされたのである。
また親族でも堤辰二郎氏の銅像はもちろん、同じく雨樋、調度品等多数出されたそうだ。
その後、主人の叔母にあたる堤いと女史は兵隊ばあさんと呼ばれ、愛国の思いも事のほか強く「零戦堤号」と「隼堤号」の軍用機を二機国に寄付され、後に夫辰二郎氏に続き、いと弟旭川店の青山与惣次郎氏、同じく弟東京店の青山末吉氏ら、それぞれ一族の四人の方が紺綬褒章を授与された。
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