第13話
青森に着き乗船である。乗り場から艀(はしけ)に移るには船が揺れて着いたり離れたりするので、母は私を小脇に抱えたが艀の中から男の人が抱き受けてくれた。
沖合いには連絡船の田村丸が停泊していた。田村丸に乗り移るにも木と縄で出来たもので、ゆらゆら揺れて海面が足元に見えるので、どうして乗ったか解らずただ怖かっただけである。
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