第10話

北村家ではミサ姉に養子を貰い私を養女に出す話も決まり、滋賀県の母の里(平流)へ了解を得る知らせがあり、母の弟に当たる惣弥叔父が大阪の里の元へ知らせたのである。

折りも折り、末の弟捨次郎叔父が北海道帯広に呉服屋を開店したばかりで、女手が必要となり母は私を連れて渡道を決心し、京都の北村へ私を引き取るべく話し合いに来たのであった。


母は残してあった着物と、私は姉のせこを行李に一個持って出ただけで父を偲ぶ物は写真一枚だけである。一時的に平流(堀家)へ帰りその堀の家から北海道へ旅立つた。

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