第8話
ある日女の人が部屋に座ってしきりに祖母と話し合っていた。私は二階の階段の、のぞき窓からそっと覗いては又顔を隠しそして又覗いていた。
幼い私を一年間も残して行った母なのである。懐かしさと羞じらいとですぐに傍へ行かれないのである。でも私の大好きなバナナと姉様人形(おやまさん)を持ってきてくれたのである。
父の死後、祖母との折り合いが悪く居たたまれなくなって一年前から家を出、一人で大阪へ行き二階に間借りして、ミシンを習い生活の道を建てるために日夜頑張っていたのである。家に居られなくなった訳は保険金が母名義になっていた為都合が悪かったのであろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます