#3
ゆっくりと歩き出した夏海は、地面に散らばっている紙の一枚を手に取ると、そこに書かれている文章にさっと目を通した。
「コード003? え、なに、これ」
そこに記されていたものは、およそ人間の所業とは思えない内容だった。
なにこれ、なんなの。これも、これも、これも、これも……。
資料の文字に目を通すたび、不吉な疑問符が脳を支配する。
記憶の
まるで倫理という概念を根底から侮辱したような内容が淡々と表記されていた。
「もしかして、ここに落ちてる紙全部にこんな事が書かれているの?」
あまりに衝撃的なその内容に、夏海は脚の痛みなど微塵も感じなくなっていた。点在する資料を雑に掻き集めると、一枚ずつ目を通し始めた。
すると、手書きと思われるメモ用紙がA4紙の間からするりと落ちた。
? 何か、落ちた?
夏海は足元に落ちたメモ用紙を拾い上げると、そこに記されていた文字に目を見張った。
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【ガルダ計画】
・猪瀬 俊 ✗
・田所 環奈 ✗
・千歳 太成 ルーク ✗
・シェリー・アルスター ✗
・藤堂 晴香 ⊿
・加山 聡太 適合
・青山 涼太 行方不明
・桐峰 飛鳥 ✗
・ルドリェンツェ
・トメ・ルクラジオ ⊿
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「かやま、そうた」
夏海は、メモに書いてあったその文字を凝視したまま固まった。
「適合って、なんの話なの……それに、ガルダ計画って」
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