第2話 平凡な日常


中学三年の冬。


高校進学を控えた俺に一本の電話がかかってきた。


相手は特待生で俺が入学する予定の高校の監督だった。


監督「晴矢くん。ウチに入る前に一度テストだけさせてもらってもいいかな?

君がチームを辞めてからどれだけ成長したのか見てみたいから来週ウチの練習に来てくれ。」


俺は分かりましたとだけ伝え電話を切った。


そしてテスト当日。



結果は散々だった。


半年間練習もろくにしていなかった俺は、ゆう事を聞かない重い体を必死に動かしたが、思った所にボールが行かず監督の目ばかりを気にしていた。


コーチ「118キロです。」


監督の呆れた顔を見た俺は、結果も聞かず走って逃げてしまった。


受験勉強もしていなかった俺には、入れるような高校も無くその後担任と相談し定員割れが予想されていた地元の高校に入学した。


そして月日は流れ高校2年のある日。


両親は、特に俺を叱る事も無く卒業するまでは好きなようにやればいいと言ってくれていた。


だが俺にはその言葉さえも落ちこぼれた息子に、興味すら無くなったと思われているのだと思っていた。


それでも学校では友達も多かった俺は中学の頃の事は気にしなくなり充実した学校生活を送っていた。


そして七月になり部屋でアイスを食べながらテレビをつけると真夏に照らされながら大声を出す高校球児達がいた。


晴矢「もう甲子園の時期か。」


あの時のことを考えれば、今頃自分もここにいたのかも知れないと考えると情けなくなったが深くは考えていなかった。


彼らを見るまでは…

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