DREAM RIDE
@haru770
第1話 小さな器
「お兄ちゃん学校行ってくるねー。」
毎朝妹の瑠夏(ルカ)に声をかけられて1日が始まる。
宮木晴矢(ミヤキハルヤ)18歳フリーター。
高校三年生の年齢だが去年単位が足りず留年。
そのまま中退している。
これと行ってすることもなければバイトもしていない。
正直今の自分が情けなくなっているがどう改善できるのかもわからず一年が経過した。
どこで道を踏み外したのだろう…。
毎日そのようなことを考えているが、理由は明確に分かっている。
俺は小学生の頃から野球をしていて世代別の選抜チームにも何度も選ばれていたため、将来はプロ野球選手一本でしか考えていなかった。
それだけ当時は自信があったんだと思う。
そして転機は中学三年生の春。
紅白戦で、セカンドへのスライディングで、チームメートの足を故障させてしまった。
勿論試合中の事故には過ぎないが、その当時は自分自身深く反省していたがチームメートや父兄から故意ではないかという批判があり監督が暫く練習には来ないようにと言われそれから1ヶ月ほど練習には行かなかった。
故意と言われたのには理由がありその日怪我をさせたチームメートと試合前にチーム方針で言い争いになっていたのが原因らしい。
そして俺は1ヶ月後チームの練習に顔を出した。
その日は休憩前の昼に練習場に着いたが、そこには何事もなかったかのように活気溢れる練習風景があった。
今思えば、俺がその日から復帰することを知って入りやすい空気を作ってくれていたんだと思う。
でもおれはその空気に温度差を感じもうこのチームではやれないと思ってしまった。
俺「母さん。おれ野球辞めるよ。」
俺の家族は理由を知っていた為、止める事もなくそのままチームを辞めた。
高校の特待生の打診が何校かあった俺は一年間自主練習をして高校野球をするつもりだった。
だがそんな甘い考えが通るわけもなく今まで、野球一筋で練習を続けていた俺に遊ぶ時間ができ、次第に野球の事は忘れていた。
そして中学三年の冬。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます