第8話
夜明けの空を見上げると
あの日のあなたの温もりを思い出す
私は直人と別れて
俊のところへはすぐに行けずにいた
待ってるからっていう言葉を何度も噛み締めながら、幸せになることを恐れてた
Instagramを開くこともなく
無機質な時間だけが過ぎていってた
東京タワーは季節に寄って、イルミネーションの色が変わる
私達は温かいオレンジ色の灯りが好きだった
今夜でその灯りも最後の日
俊と再会して以来、あの場所へと向かった
そして、
そこで、久しぶりにInstagramを開いた
彼の投稿はあれ以来1つも増えていなく、小さな部屋がひっそりとしているようだった
俊は"好きだよ"とか"愛してるよ"とか…
そういった言葉が嫌いだった
「俊のこと大好きだよー」っていっつも言ってた優しいお母さんが彼が小学生の時に旅立ってしまったから。
どんなに言葉で伝えても、いつか、いなくなってしまう…それなら、何も言わない方がいいって……辛くなるだけだって、悲しい目をしてここで、話してくれた
あの時の俊の顔が忘れられない
だから、私達はお互い思いを言葉で伝えあったことはなかった
でも、このまま、彼に会わないままでいいんだろうか……
私は彼に会う為の最後の賭けをすることにした
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